宅配弁当市場で事業をする時、市場規模を知っておきたいですよね。
宅配弁当は、高齢者が手軽に栄養バランスの良い食事をとれるので、人気となっています。また、共働き世帯にとっては、忙しい時に食事準備の負担を軽くできます。
ライフスタイルの変化によって、宅配弁当の需要は高まっています。
調べてみると、宅配弁当の市場規模は年々拡大しているようです。今後も、さらに成長すると言われています。
高齢者や共働き世帯向けだけでなく、健康に関心が高い人に向けた栄養バランスの良い弁当も販売されていますよ!色々なニーズに合わせた宅配弁当が求められています。
宅配弁当の市場規模はなぜ拡大しているか、詳しく見ていきましょう!
なお、この記事は、2021年6月現在の情報になります。
宅配弁当の市場規模は拡大している!
弁当や総菜を買い、調理することなく食べる「中食」。そんな中食産業の市場規模は、拡大傾向にあります。2019年は7.3兆円となり、年々緩やかに増加しています。
中でも、宅配弁当を含む食品宅配の市場規模は大きく成長しています。
矢野経済研究所が行った調査によると、食品宅配の市場規模はどんどん拡大しているようです。2023年度は、2018年度比113%の2兆4172億円になると予想されます。
食品宅配市場とは、次の業態を対象として調査したものです。
- 在宅配食サービス
- 食材(惣菜)宅配
- 宅配ピザ
- 宅配寿司
- 外食チェーン・ファストフード宅配
- 牛乳宅配
- 生協(個配)
- ネットスーパー
宅配弁当は、在宅配食サービスになります。食品宅配市場の中でも注目されているのが、宅配弁当とミールキットです。
体づくりをサポートする特化型弁当
単身シニアや持病持ちで、食事管理が必要な場合におすすめ、栄養バランスの良い宅配弁当。
ダイエットや筋トレで体づくりをしたい場合にぴったりな、特化型弁当の人気が高まっています。
低脂質、高たんぱく質、低カロリーなど、体脂肪減少、筋肉量アップを目的としたメニューがそろっています。
ダイエットするなら糖質は控えたほうが良いのかしら?
厳しい糖質制限が必要なイメージですよね。しかし、栄養バランスがよくない食事は、体調を崩してしまい、ガリガリに痩せてしまいます。
Muscle Deli(マッスルデリ)が販売する冷凍弁当は、極端な糖質制限をしません。栄養バランスが偏ることを防いで、健康的な体づくりのサポートしてくれます。
長期的な糖質制限は健康をそこねてしまうことがあるので、ほどよく糖質も摂取する献立になっています。添加物を使わない、安心安全な献立も魅力的です!
これなら、長期間のダイエットでも続けられそうですね!
共働き世帯に人気のミールキット
カット済みの肉や野菜、調味料などを含む食材とレシピがセットになったミールキット。
手作りしたいけど、献立を考えたり買い物したり、そんなに時間がかけられない…。そんな現代人のニーズに応えた商品となっています。
カット済み材料と調味料がそろっているため、調理の時短になります。そのため、子育て中の共働き世帯が多く利用していますよ!
また、高齢者や単身世帯の需要も高まっていて、参入各社は大きな成長を見込んでいる分野です。
献立を考えるのが面倒だし、料理に時間はかけたくない。
食材を買っても余らせてしまう…。
調理の時短や食材を無駄なく使いたい、と考える場合に利用されています。
生協やネットスーパーなどでも、ミールキットを販売しています。調理メニューは拡充され、品質も向上していて、ミールキットの市場で競争がどんどん激しくなりそうです。
では、食品配達の市場規模はどうして拡大しているのでしょうか?考えられる要因を、詳しく見ていきましょう。
家族構成の変化が関係する
少子高齢化や未婚率の増加により、高齢者だけで暮らす人や一人暮らしが増加しています。
食べる人が少ないと、自炊もなかなか億劫ですよね。いざ自炊したは良いけど、2~3日ずっと同じような料理が続いて飽きてしまうことも…。
少人数家族の場合、食材や調味料を買って自炊するよりも、購入したほうが経済的かもしれません。
宅配弁当や配食サービスであれば、おいしい日替わりのメニューが楽しめます。食材を買う必要がなく、買い物の時間も短縮できますね。
働き方の変化が関係する
国は、女性の社会進出を推進してきました。女性は家庭を持っていても働く、いわゆる共働き世帯が増えています。
仕事で忙しくなるため、料理をじっくり作ることよりも、早く用意して食べることが重視されるようになってきました。
何食分かを一度に届けてくれる冷凍弁当や、スーパー・コンビニでまとめて購入できる冷凍惣菜の需要が高まっています。
温めるだけのお手軽さはもちろん、賞味期限も長めであるため、長期間保存ができて好きな時に食べられます。忙しい共働き世帯にぴったりですね!
高齢者向け宅配弁当が市場規模の多数を占める
栄養バランスに気をつけた食事をしたいけど、自分で作るのは大変…。
そんな時に便利なのが、宅配弁当です!高齢化社会になり、ますます人気となっています。
宅配弁当の市場規模は、2025年に2018年と比べて25.5%増加して2046億円となるようです。
高齢者向けの宅配弁当や食品が、どのように市場へ影響しているか見ていきましょう!
在宅高齢者向け宅配弁当
在宅高齢者が増える中、宅配弁当サービスへ需要が高まっています。カロリーや減塩などを配慮した、調理済み食品が豊富にあるのも魅力的です。
宅配弁当を手渡しで届けてくれます。そのため、離れて暮らす両親の見守りも兼ねて利用していることがあります。
宅配弁当サービスは、利用者の大半が在宅高齢者です。
しかし、今まで自家調理で給食提供してきた高齢者施設や、デイサービス、デイケアなどスタッフ数が少ない日帰り施設からの需要も高まっています。
施設向け宅配弁当は、調理人員や時間、コスト削減、衛生面でのリスク低減などメリットがたくさんあります。
そのため、宅配弁当へ切り替えを考える施設もあります。施設向け宅配弁当の注目度が高まり、今後も市場規模は拡大していくと考えられます。
また、生活習慣病の増加で、健康に関心が高まっています。
糖尿病・腎臓病など罹患者(りかんしゃ)だけではなく、病気となる前の“未病”へ向けたメニュー開発により、新たな顧客層を獲得しています。
高齢者施設向け食品
高齢者施設では、調理における人手不足の慢性化が深刻となっています。
そこで、少人数、短時間で食事を準備できる、食品の需要が高まっています。
解凍したり温めたりして盛り付けるので、調理負担が軽減されますよ!人件費や食材費のコストダウンを目的として、使用する施設が多くあります。
参入各社が工夫した商品の販促を強化していて、市場規模も少しずつ拡大しています。
在宅高齢者向け食品
かむ力や飲み込む力が不安な場合にぴったり、流動食、やわらか食、栄養補給食のニーズは増えています。
そのため、スーパーやドラッグストアの介護用品売り場で購入できるようになってきました。
自分で料理して、食材を刻んだりすりつぶしたりするのは大変ですよね。
自宅で手軽に食べられる、レトルト商品の販売が拡大しています。簡単調理で、すぐに食べられる点が人気の理由です!
電子レンジ対応商品など、新たな価値提案により市場は活性化していて、大幅な拡大が見込まれる分野となっています。
栄養補給食品
栄養補給食品とは、食事だけで十分な摂取が難しい栄養の補給をサポートする食品です。
高齢者に不足しがちなたんぱく質やビタミン、ミネラル補給など、色々な食品があります。
フルーツ味やヨーグルト風味など、味のバリエーションが豊富で、選ぶ楽しみもありますよ!
身体的機能や認知機能の低下で起こるフレイル、筋肉量が減少して起こるサルコペニア予防に栄養補給食品を活用する人も増加しています。
在宅向けではスーパーやドラッグストアを中心に販売、施設向けもゼリー状商品の採用が進んでいます。
宅配弁当などの市場規模はフードデリバリーで拡大!
宅配弁当を含む食品宅配の市場規模は、フードデリバリーサービスによって拡大が加速しています。
フードデリバリーは、インターネットでメニュー掲載、注文受付して、宅配を代行してくれるサービスです。
株式会社ICT総研の「2021年フードデリバリーサービス利用動向調査」によると、デリバリー市場規模は、2021年で5678億円となります。
また、2023年は6821億円に拡大すると予測されました。
フードデリバリーの利用状況
2019年10月の軽減税率が適用されたことで、テイクアウトやデリバリーは広く利用されるようになっています。
若い年代ほど利用は多く、20代、30代の半数近くに利用経験があります。特に、男性が多く利用しています。
注文する料理は、ピザやパスタ、寿司、中華料理、丼ものが多くなっています。
便利なサービスですが、サービス料金の高さ、配達エリアが限定されるなど不満要因もあり、課題は多く残っています。
フードデリバリーのメリット
料理や宅配弁当の配達は、出前が一般的でした。2010年代以降から、フードデリバリーの大手事業者が参入して、配達してくれるようになりました。
フードデリバリーは消費者、飲食店の両方にメリットがあります。
- 利用可能な飲食店が一覧できる
- 色々な種類のメニューから選択できる
- 配達の目安時間がわかる
- 配達状況をリアルタイムで知ることができるサービスもある
フードデリバリーのアプリなどを使えば、手軽に注文できて便利です。店に行かなくても、レストランの味が自宅で楽しめると嬉しいですよね!
- 新しい顧客を開拓できる
- 配達システムを作る必要はなく、簡単にデリバリーが始められる
- お店の宣伝になる
- デリバリーの効率化ができる
フードデリバリーの代行サービスを利用することで、飲食店はデリバリーが始めやすくなります。
フードデリバリーサービスの市場参入と撤退
フードデリバリーサービスでは、出前館やUber Eatsが主要となっています。今後も市場規模は拡大すると考えられるため、数々の企業が参入しています。
一方、競争の激化で、市場から撤退する動きも出ています。
NTTドコモは、2014年5月に始めたフードデリバリーサービス「dデリバリー」を、2021年6月で終了。
楽天グループは2つのサービスを運営しています。1つ目は、2002年から運営している宅配注文サービス「楽天デリバリー」。
2つ目は、2020年5月から開始し来店前にウェブサイト上で注文と決済ができる「楽天リアルタイムテイクアウト」です。
これらを、2021年7月1日にぐるなびへ承継しています。
世界のデリバリー市場も、急速に拡大しています。中国やアメリカ、イギリスなど世界各国と比べ、日本はデリバリーが少ない傾向にあります。
今後、デリバリーが増えて、宅配弁当の市場規模はますます成長していきそうですね!
まとめ
- 宅配弁当を含めた食品宅配市場規模は、2023年度2兆4172億円になると予想される
- ダイエットや筋トレによる体づくりをしたい場合に、特化型弁当が人気
- 共働き世帯には、ミールキットが人気
- 市場規模拡大は、家族構成や働き方の変化が関係している
- 高齢者向け宅配弁当の市場規模は、2025年度2046億円になると予想される
- 高齢者向け宅配弁当は、在宅向けだけでなく、施設からの需要も高まっている
- 高齢者施設では人手不足を補うため、簡単に調理できる商品が人気
- 流動食、やわらか食、栄養補給食はドラッグストアなどでも手に入る
- 宅配弁当はデリバリーサービスによって、市場規模が拡大している
伸びしろがある食品宅配市場、これからもどんどん拡大していきそうです。
宅配サービスを使うことで、私たちの生活も便利に変化していくかもしれませんね。
新規事業立ち上げや、事業計画を立てる際の参考にしてみてください!
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