簿記は就職や転職に有利といわれ、受験する人が多い資格の一つです。社員へ資格取得を求める企業もあると聞きます。
簿記2級は3級に比べ難易度が上がり、合格率は低くなります。できることなら一回で合格したい!と思いますよね。
実は私、簿記2級まで独学で資格取得しており、テキストや問題集以外はなんとか無料で済ませました。
でもやはり、独学はモチベーション維持や、質問できる機会がないなど大変な面もあります。
当時、テキスト学習に加え、オンラインでの無料学習もしていればもう少し楽だったかもしれません。
スクールに通う時間はないけど、独学は不安…。
オンライン学習は便利だけど、費用がかかるのでは?
そう思って受験を迷っているあなたにおすすめなのが、オンラインの無料学習です。簿記2級の学習サイトをご紹介します。
簿記2級はオンラインで無料学習しよう
簿記検定には「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」などの種類があります。それぞれに主催者が異なり、主な受験者層も違いがあります。
名称 | 主催 | 主な受験者 |
日商簿記 | 日本商工会議所 | 社会人 |
全商簿記 | 全国商業高等学校協会 | 商業高校の生徒 |
全経簿記 | 全国経理教育協会 | 経理専門学校の生徒 |
ここでは最もポピュラーで難易度も高く、社会人の受験者が多い「日商簿記」についてご紹介します。
日商簿記検定は初級、3級、2級、1級が設けられており、年に3回(2月、6月、11月)試験が行われています。
最も受験者が多いのは3級で、合格率は40%前後、回によっては50%を超えることもあります。
3級の内容は基礎的な商業簿記です。2級では、経営管理に役立つ高度な「商業簿記」に加え、原価計算などを習得する「工業簿記」が追加されます。
難易度がぐっと上がるので、2級合格率はだいたい10~30%台になるようです。
そんな難易度の高い簿記2級で、資格取得に向けたオンライン学習が無料で提供されているの?
調べてみると、日商簿記検定に関する無料の学習サイトがいくつかありました。
YouTubeチャンネルや資格スクールの無料動画もありますが、更新頻度や情報量などから動画以外のオンライン学習は、より独学に適していると感じました。
自分に合うサイトが見つかれば、オンラインで好きな時間に無料で簿記2級の学習が進められます!
そんな独学に対応した、無料でできるオンライン学習をご紹介します。自分のペースで無理なく簿記2級合格をめざしていきましょう。
いぬぼき
「いぬぼき」とは、「犬でもわかる!無料簿記講座」の略だそうです。
独学で日商簿記2級、3級を目指している人のための無料学習サイトとなっています。
コンテンツの中には、まったくの初心者という方にも独学を始められるように「簿記入門講座」があります。
これから勉強してみようかな、と考えている人にも試しやすいと思いました。
レイアウトがすっきりしていて読みやすいし、学習内容だけじゃなくて試験についての情報も満載ね。
イラストを使った解説や、簿記検定試験の日程、傾向と対策など、情報満載でとても親切なサイトという印象です。
ただし、問題集の掲載は3級のみですのでご注意ください。
スキマ時間で簿記2級!
日商簿記3級程度の知識がある方に向けた、独学で2級に合格できる実力を身に着けるためのコンテンツを提供するサイトです。
こちらの内容は商業簿記を対象にしていますが、別サイトで「スキマ時間で簿記2級!工業簿記編」もあります。
ほかに、まずは3級の学習を始めたいという方に向けた「スキマ時間で簿記3級!」のサイトもあります。
イラストなどの装飾はなく、文章と図解のみ(一部動画あり)で構成されており、わかりやすくまとめられている印象です。
試験のために暗記することではなく、簿記の面白さと理解を深めることがねらいだそうです。
やや堅苦しいイメージはありますが、タイトルの通りスキマ時間でもサラッと読みやすい文章で、わかりやすくまとめられている印象です。
文字ばかりで堅苦しいかな?と思ったけど、文章が読みやすいから通勤中などのスキマ時間にぴったりだね。
パブロフ簿記
「犬のパブロフくんと会計士のお兄さん」が簿記2級、3級の試験情報や対策、学習方法や問題の解き方などを説明しているサイトです。
書店ではパブロフ簿記のテキストや問題集が販売されているので、見たことがある方は多いかもしれませんね。
さらにはスマホ用のアプリまで揃っています。アップデートすれば、最新年度の試験範囲にも対応しています。
ただし、アプリには有料版と無料版があり、提供する内容も違いますのでインストールする際にはご注意ください。
充実したサービスの中から必要なものを選べるのはうれしいですね。
家ではテキストとオンライン、通勤・通学の際はスキマ時間を利用してアプリで学習することもできます。
情報量が豊富だしコンテンツも充実しているから、これなら独学で頑張れるかも…。
【番外編】簿記2級は本当に独学でも合格を目指せる!?
先に答えてしまうと、簿記2級は独学で合格を目指すことができます。
初めに書いたように、私は3級と2級を受験したのですが、元々数字に対してとても苦手意識がありました。
資格は取得したいと思いながらもスクールに通う余裕はなかったのですが、独学で受験する人もいると知って、私も挑戦することにしました。
当時、私の学習法はテキストと問題集のみの反復学習です。
まず3級を取得し、合格したらその勢いを保ちながら、同じ学習方法で数ヶ月後の次回に2級を受験しました。
自己採点ではなんとかギリギリのラインで合格できました(汗)。
簿記に関しては全くの初心者だったので、テキストを読み理解するのにとても時間がかかり大変だったことを思い出します。
独学だと、わからないことは近くに質問できる人がいればよいのですが、自力で調べなければいつまでも解決できません。
テキストではわかりにくかった部分の解説がオンラインなどで調べられたら、もう少し点数に影響したかもしれません…。
3級ならまだ独学で受験する人は多くいます。しかし、2級は難易度が高くなるため、独学に不安を覚える方が多いかもしれませんよね。
実際、2級の学習時間は3級の2倍程度必要ともいわれていますし、試験の範囲が変更になったり難易度がさらに高くなったりしているそうです。
2級ともなると、より理解を深めてポイントを押さえた学習ができるように、資格スクールの通学や有料のオンライン講座を利用する人が増えるようです。
通学と独学のどちらを選ぶかは、その人の向き不向きもあると思います。どちらを選んでも、無料学習サイトはあなたの手助けになるはずです。
オンライン学習を無料で利用する場合は、あくまでスクールやテキストで学習する内容のフォローと位置付けるのが良いのではないでしょうか。
独学でも通学でも、資格取得の学習が大変なことに変わりありません。
- 試験や学習方法についての情報収集をしっかりしておく
- いつ受験するかの目標を定め、無理のないスケジュールを立てる
- 自分なりのモチベーション維持を心がける
受験すると決めたら、事前にこのような準備をして取り組みましょう。
あとはコツコツ地道に学習を続けるのみです!
簿記2級はオンラインでの受験が可能
日商簿記検定では、年3回の統一試験日に筆記での試験を開催してきました(統一試験)。
2020年12月から簿記2級と3級はオンラインでの受験が可能になりました。これは、ネット試験(CBT方式試験)と呼ばれています。
CBT試験とは「Computer Based Testing(コンピューターベースドテスティング)」の略称で、コンピューターを使ったテスト方式のことです。
- 年間を通して申込、受験が可能
- 申し込みは随時。ただしインターネットからのみ
- 会場は、商工会議所が認定した全国の「テストセンター」のみ(自宅での受験不可)
- 申し込みから3日後以降で受験日の予約ができる
- 受験の日時は、テストセンターが定める日時の中から自分で選ぶことができる
ちなみに、簿記1級はネット試験を導入していません。
1級は統一試験のみ、2級と3級は統一試験とネット試験のどちらでも受験可能になりました。
統一試験は受験会場が大学などの学校となる場合が多いので、会場までのアクセスなど不安な場合もありますよね。
オンラインで受験できるネット試験の会場「テストセンター」は、実施当初から全国に100ヶ所以上もあり、その後も徐々に増えています。
家の近くにテストセンターはあるかな?
全国のテストセンターや空席状況は、日本商工会議所のネットテスト申込専用ページで確認することができます。
また、専用ページで受験の申込をする場合、初めての方はまずマイページアカウントを取得してID・パスワードでログインする必要があります。
自分の希望日時で受験でき、自宅や職場から最寄りの会場が選べるようになると、簿記2級、3級の受験はオンラインが主流になっていきそうですね。
簿記2級のオンラインと筆記の試験で違いはある?
簿記2級、3級の試験は2020年12月よりオンラインでの受験(ネット試験)が可能になりました。
それに伴い、年に3回のペーパーテスト(統一試験)の内容も2021年4月より変更されています。
統一試験では、試験時間は各級120分でしたが、ネット試験では簿記2級が90分、3級が60分になりました。
2021年6月からは、筆記の統一試験でも試験時間はネット試験と同じ時間に統一され、出題形式も同一の方式に変わりました。
出題範囲や出題形式は統一されていますが、オンラインと筆記では回答の感覚が違うと思いますのでご注意くださいね。
ではそのほか、オンラインで受験するのと筆記で受験するのとではどのような違いがあるのでしょうか。
ネット試験 | 統一試験(筆記) | |
申込受付 | オンラインにて随時 | 試験日の約2ヶ月前から商工会議所へ問い合わせ可能 |
会場 | 全国のテストセンター | 指定の会場(大学など) |
試験日 | ほぼ毎日 | 2月・6月・11月 |
回答方式 | パソコンへ入力 | 解答用紙へ記入 |
試験時間 | 2級:90分、3級:60分 | |
出題範囲 | 「出題区分表」による | |
受験料(税込) | 2級:4,720円、3級:2,850円 |
ネット試験は同一日に同じ級を重複して予約したり、同じ級を複数日予約したりすることはできません。
しかし、受験日の翌日から最短3日後以降で次の予約が可能だそうです。受験料はかかりますが、繰り返し受けられるというメリットがあります。
もしくは、統一試験前にネット試験を受けておき、確実に資格取得をねらうことも可能ですね。
何度も受験できる、という点では資格取得しやすくなったという風に考えられますが、出題範囲や難易度はこれまでと変わりません。
それに簿記2級は受験料もそれなりにしますので、気軽に何度もというわけにはいきません。
いつまでに合格するという目標を明確にしてスケジュールを立てないと、「いつでも受けられるから」とグダグダになってしまう恐れがあります。
統一試験実施のタイミングで、次の出題区分の変更や問題が変わってくると思いますので、情報はこまめにチェックしましょう。
まとめ
- 簿記2級はオンラインの無料学習で独学できる
- 無料学習サイトは独学でも通学でもフォローに役立つ
- 情報収集とスケジュール、モチベーション維持が大事
- 2020年12月からネット試験の実施が始まる
- 2021年4月からは統一試験とネット試験の出題区分や試験時間が共通になった
- ネット試験は何度でも受験できるのがメリット
- 最新の情報をこまめにチェックしながら確実に簿記2級合格をめざそう!
人気の高い簿記検定にネット試験が導入され、受験の機会が増えました。だからと言って受かりやすくなったわけではありません。
必ずしも決まった時間に通学、オンラインスクールで受講しなくても、独学で簿記2級合格はできるはずです!
テキストや問題集に加えて、無料のオンライン学習やアプリなどを上手く活用して、資格取得に向けて頑張ってくださいね。
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