メタバースは、今注目の事業だからビジネスに利用したいと考えているあなた。
しかし、「メタバースをビジネスに利用するメリットや始め方が分からない」というようなお悩みもありますよね。
実際にどんな企業が、メタバースでビジネスをしているのか分かると利用しやすいかもしれません。
この記事では、メタバースをビジネスで利用するメリットや企業の取り入れやすい事例、簡単な始め方を紹介します。
メタバースを使って社員研修や会議をしたり、バーチャル空間に店舗を出展して商品を売ったり、さまざまな取り組みがされていますよ。
ハッシュタグをつけてSNSにシェアすると、割引されるサービスを取り入れている企業もあります。
ぜひ、他の企業のアイディアを活かして、自分の発想を膨らませてビジネスに利用してみてくださいね。
メタバースをビジネスで利用するメリットを紹介
メタバースは仮想空間のことですが、このメタバースを続々とビジネスに利用する企業が増えているんです。
旧Facebookのメタは、社名変更でメタバースへの参入を強く表明しました。このメタの社名変更が世界のメタバースブームの火付け役になったとも言われています。
時代は、SNSからメタバースに移ろうとしていることがうかがえますね。
でもメタバースをビジネスに利用するメリットって何?
- アバターを利用した交流や会議ができる
- 全国各地の社員研修が共通の空間でできる
- より身近なコミュニケーションが可能になる
- 製品開発などの共同作業が可能になる
ビジネスでメタバースを利用して成功するためには、このメリットをどのように活かすかが重要ですね。
アバターを利用した交流や会議ができる
メタバースでは、自分の好みに合わせて作成したアバターを利用して、交流や会議を行うことができます。
現実世界では、ショートカットだけどロングヘアにしたいなんて願望もメタバースでは叶えることができてしまいます。
メタバース内のアバターを使った交流は、リアルタイムで空間を共有しているような感覚なので、目の前に人がいる錯覚も起こしてしまいそうですね。
そしてアバターの技術は、音声を認識して顔の表情を自在に変えることや、身振り手振りを再現し表現を豊かにする研究が行われていて改良が進められています。
このリアルな表現が実現したアバターを使って、メタバース上で会議を行うこともできてしまうため、将来的には出社しなくてもいい日が来るかもしれませんね。
全国各地の社員研修が共通の空間でできる
全国展開をしている企業においては、すべての社員に同様のスキルを習得してもらいたいですよね。
この店舗は良いけど、ここはあまり良くないなど技術に差が生まれてしまうと、売上や業績にも響いてきます。
しかし、本社で社員研修をしようとしても遠方からだと交通費がかかったり、そもそも大人数を収容することが難しかったりする場合がありますよね。
そこで、メタバースを活用した社員研修を開くことで、共通の空間ですべての社員が同様のスキルを習得することができます。
zoomを使ったオンライン研修もありますが、それよりもメタバースで行う方がより現実に近い形で行うことができますよ。
より身近なコミュニケーションが可能になる
メタバースは、遠方にいながら同じ空間で過ごすリアルな感覚や、同じコンテンツを仮想空間内で体験できる楽しさがあります。
VR技術は、従来のSNSやインターネットではできなかった、より身近なコミュニケーションを実現し、ユーザーとの距離感を縮め共有体験を強める効果が増幅します。
社員やチーム同士で共有体験が可能なため、繁忙期を乗り切った打ち上げを仮想空間で行うのも楽しそうですね。
歓迎会や忘年会といったイベントも、メタバースの導入で変わっていくかもしれませんね。
製品開発などの共同作業が可能になる
社員やチーム同士で仮想空間を共有することで、遠隔で作業を共同して行うことができてしまうのです。
物理的な製品開発を要する会社やチームでは、3Dを活用したオブジェクトの共有が必要でした。
3Dのオブジェクトの共有をするために、メタバースの開発が進められたと話す方もいます。
このメタバースの技術により、遠方にいる社員やチームが、製品開発における図面や技術、デザインなどの共有と、共同での制作作業が可能になりました。
今までは、平面上でしか完成図を見ることができなかったのが、3Dで全方向からみることができるため、さらにより良い製品を生み出すことができそうですね。
法律やルールの整備がされていないなどの課題も
メタバースは急激に伸びている事業ですが、メタバース内での商取引などを巡る法律やルールの整備がされていないといった課題があるのも現状です。
日本の民法では、原則的に物理的なものにしか所有権を認られていません。
したがって、メタバースでのトラブルやアカウント停止で自分の仮想アイテムがなくなっても、日本の現実の法律では対応することができないのです。
せっかく自分で作ったアイテムや購入したものがなくなってしまうと悲しいし、お金を返してほしいと私なら怒ってしまいそうです。
もうメタバースで取引なんてしたくないと、利用するのも辞めてしまいたくなるかもしれないですよね。
そんなことにならないように、KDDIや東急などの企業が「バーチャルシティコンソーシアム」を立ち上げ、メタバース運営に関するガイドラインを作っています。
早くルールが作られて、安心してメタバースを活用できるようになってほしいですね。
その他に、ARやVRの普及が遅いことも課題の1つになっています。
VRヘッドセットは高価なため、気軽に購入することが難しく普及に時間がかかっています。
3万円前後ですが、人によっては購入を検討してためらってしまう金額かもしれませんね。
そして、技術者だけでなく業界知見を持ちビジネス企画ができる上流の人材も不足しているといった声も挙げられています。
今後、メタバースのビジネスを拡大するには、一般消費者にメタバースを浸透させるために、ガイドラインの整備やVRデバイスの普及がさらに必要になります。
メタバースをビジネスとして活性化させるためにも、VRデバイス普及に関する今後の技術動向にも注目が必要ですね。
メタバースをビジネス活用した事例を紹介
メタバースのビジネスへの活用事例として挙げられているのは主に展示会、株主総会などのイベント利用が多くなっています。
イベントに出展するという形で小売業や観光業なども参入し、ビジネスを展開しています。
その中でも注目すべきは、メタバースを活用した大規模なイベントの「バーチャルマーケット」です。
株式会社HIKKYが主催するバーチャルマーケット
株式会社HIKKYが主催していて、2021年12月で7回目の実施になり、約80社の企業が出展し、世界中から100万人以上の来場者が参加したイベントです。
バーチャルマーケットのねらいは、「開催を通じてバーチャル世界をより豊かにし”バーチャルで生きる”ことを可能にする」となっています。
好きな場所、好きな姿、好きな職業を得ることができるってすごく素敵だと思いませんか。私はインドアなので、在宅で仕事が完結したらいいなと毎日思っています。
バーチャルマーケットを開催することで、たくさんのビジネスモデルが生まれると、多くの人がバーチャル空間を訪れ、それに伴い経済圏が構築されていきます。
それぞれの立場の人にとって、バーチャルマーケットは以下のようなきっかけになる場所でもあるようです。
クリエイター:創作モチベーションの向上と作品発表のきっかけ
ユーザー:好みの作品や今まで知らなかった推しクリエイターとの出会いのきっかけ
企業:バーチャルマーケットに出展をすることにより、次世代の空間のインターネットで自社がどのような価値を提供できるかの実験を行うきっかけ
バーチャル空間に、現実と同じような経済圏を作ることによって、人々の生きる選択肢を増やすきっかけになるんですね。
そして、バーチャルマーケットでは、出展企業の募集が行われています。
- PR
- VRコマース(VR接客、3Dモデル販売、3D商品の研究開発)
- リアル商品の販売先として新規市場開拓
- オープンイノベーション(自社ソリューションとXRの企画開発をバーチャルマーケットを使って実証実験、他社IPとのコラボレーション)
など様々な出展メニューが用意されています。VRに関する知識が無くても、専任の担当さんが企画を考える所から丁寧に対応してくれますよ。
制作期間が必要となるため、早めにバーチャルマーケットのサイトから、問い合わせをするようにしましょう。
実際に出展された企業にメタバースがどのように活用されているのか紹介していきますね。
株式会社ビームスがスタッフアバターで接客
東京・原宿に実在する「BEAMS HARAJUKU」を再現した外観のバーチャルショップでは、実際に社員がリアルタイムで操るスタッフアバターで接客をしました。
同店舗内では、ゴジラやももいろクローバーZとのコラボレーションアイテムやイベントオフィシャルTシャツに加えて、3Dアバターも販売されました。
期間中は4回に渡ってももいろクローバーZのメンバーがそれぞれのアバター姿で登場したなんて、ぜひ会ってみたかったですね。
芸能人の方とメタバース空間で触れ合うことができるなんて、まさに夢のようです。
また、店舗横に設置されたロケットの打ち上げ体験など、バーチャルならではのサプライズコンテンツが好評でした。
HIKKYの行うXRオープンイノベージョン施策(VR空間で企業間を繋ぎ、HIKKYの持てる技術で革新的なXR事業を創出する取り組み)により、多くのコラボが実現しました。
今後もたくさんのコラボがされると思われるので、自分の好きな芸能人に会える日もくるかもしれませんね。
ディズニーはSNSで投稿した画面を見せると割引
バーチャルディズニーストアを出展し、来場者が実際の商品のように3Dモデルを手に取ったり、写真を撮ったりして楽しむことができるブースが大好評だったようです。
また、その場でディズニー公式オンラインストア「ショップディズニー」に移動して購入することもでき、リアル商品の販売も行いました。
「ディズニー」だけではなく「マーベル」と「ディズニーツイステッドワンダーランド」エリアも用意されていて、ディズニー好きにはたまりませんね。
さらに、「#Virtualdisneystore」を付けてSNSに投稿した画面を実店舗で見せると、お買い上げ金額から10%OFFするキャンペーンも実施されました。
この10%OFFになるというアイデアは、メタバースをビジネスに利用するために覚えておくといいですね。
株式会社大丸松坂屋百貨店がリアル食品の販売
「バーチャル大丸・松坂屋」では、リアル食品の販売はバーチャルマーケットで初の試みとなりました。
食品の3Dモデルを手に取り360度さまざまな角度から商品を確認し、BUYボタンを押すとECサイトにつながり、商品の詳細を確認したうえで商品を購入できるようになっています。
さらに、大丸松坂屋百貨店公式キャラクター「さくらパンダ」の3Dモデルを無料配布したり、老舗ならではの演出として、背景が屋台風だったりと工夫がされていました。
360度さまざまな角度から見れるなんて、現実と同じように買い物ができてしまうことに驚きです。
ネットで買うと、思っていたのと違ったと感じることもありますが、そういったことがメタバースによって少なくなるかも知れませんね。
SMBC日興証券株式会社の株価連動ジェットコースター
日経平均株価チャートの上がり下がりをコースで表現した「株価連動ジェットコースター」は、バーチャルマーケットが始まる前から話題になっていました。
アベノミクスやリーマンショックなどの相場変動を、リアルなジェットコースターのスリルを味わいながら疑似体験することができます。
走行中には、当時の株価の上がり下がりと関連した金融・経済トピックが目の前に現れるなど、バーチャルだからこその演出で金融の世界を楽しむことができるんです。
さらに、コースター乗車中に撮影された写真が乗車後にブース内に表示されるなど、現実世界の遊園地のアトラクションさながらの演出も楽しめます。
アバターのSMBC日興証券のアナリストなどと直接話ができる「バーチャル座談会」や、相場解説などのスモールトークセッションも実施されました。
普段は証券会社の人と気軽に話す機会がないので、メタバースでやり取りができると株のことも身近に感じることができそうですね。
JR東日本グループは実在するJR秋葉原駅とコラボ
JR東日本グループでは「Beyond Stations構想」と呼ぶ、リアルとデジタルを組み合わせた新たな体験価値の提供を目指しています。
「エヴァンゲリオン」などの人気作品のキャラクターが国内外の来場者を出迎えてくれ、実在する駅のように改札を通過することや、電車に乗ってVR世界を巡ることもできます。
また、バーチャル空間に登場するモザイクアートを、実在するJR秋葉原駅構内において期間限定で掲示するなど、現実世界との繋がりを意識した取り組みがされていますね。
日本のアニメは、世界でも大人気なのでアニメ文化が浸透している秋葉原駅とコラボは、世界のアニメファンも熱狂してしまいそうですね。
これからも、リアルの交流拠点である駅の強みを活かしながら、新しいサービスを利用者目線で創造し、駅をビジネスの発信拠点へ変革してほしいです。
メタバースでビジネスの始め方は既存のサービスを使う
メタバースをビジネスに利用したいけど、一からメタバース空間を作り出すのは難しそうだし始め方も分からなくてどうしたらいいのと思っていませんか。
今回は、無料で使用できるHorizon Workroomsとメタバース空間を作るために必要なことを提供してくれるclusterスターターパッケージを紹介したいと思います。
自分がどういったことを、ビジネスに反映したいのか考えてサービスを選ぶことが大事ですね。
無料でバーチャル会議に参加できるHorizon Workrooms
メタが提供しているHorizon Workroomsというサービスは、無料で利用することができます。
自分の部屋にいながら、VRゴーグルやコントローラーを使って会議に参加できるので驚きです。
- Workroomsのミーティングに参加できる人数は一度に50人までで、そのうち16人までがVRで参加することが可能
- Workroomsチームを最初に作成する人と、VRでのミーティングに参加するすべての人は、Oculus Quest 2ヘッドセット(VRゴーグル)が必要
- Quest 2を所有していない場合は、デスクトップのビデオ通話でミーティングに参加できる
専用のVRゴーグルは3万円を越しますが、これを安いと取るか高いと取るかはあなた次第です。
公式サイトのレビューを読むと目の周りが圧迫され、痛みを感じ長時間の使用は辛いという声も結構見かけました。
しかし、高スペックの割に価格が安くて驚いたという声や、VR入門には良い製品という声もあったため、購入を検討してみても良いかも知れません。
無料で使用できるHorizon Workroomsの始め方を以下にまとめました。
- Horizon Workroomsのサイトにアクセス
- 右上の「登録」ボタンをクリック、メールアドレスを入力し「次へ」をクリック
- 『Workroomのアクティベーションコード』というメールを確認し、認証コードを入力
- 「メールアドレスを認証」をクリック
- ①自分が会議の主催者になる場合
⇒「新しいWorkroomsチームを作成」をクリック
⇒「チーム名」「氏名」「パスワード」の設定をし「次へ」をクリック
⇒表示された注意事項を確認して「次へ」をクリック
⇒管理者としてチームを作成するために、Oculus Questのペアリングコードを入力し「送信」をクリック
②既存のWorkroomsチームに参加の場合
⇒「既存のWorkroomsチームに参加します」をクリック
登録は、無料で出来てとても簡単でしたね。あとはVRゴーグルを購入すれば利用することが出来ます。
ビジネスに投資は付き物なので、VRゴーグルを購入してみてもいいかもしれませんね。
イベント開催ならclusterスターターパッケージ
バーチャルイベントプラットフォームであるcluster上で、企業のイベントやカンファレンス開催に必要な会場・演出・スクリーン・音響等の一式を提供するパッケージです。
clusterスターターパッケージを利用すれば、即日開催も可能になりますよ。
イベント等を行うための費用は、制作内容によって大きく異なりますが、100万円からで応相談となります。
- clusterスターターパッケージのサイトにアクセス
- 法人利用のお問い合わせはこちらの「お問い合わせフォーム」をクリック
- 説明を読んでから「名前」「メールアドレス」「電話番号」「企業名」を入力
- 「お問い合わせ内容」にチェックを入れ、「お問い合わせ詳細」を入力して送信
資料請求も資料請求フォームからすることができます。
clusterを使ってイベントを開催した企業の例を紹介します。
株式会社ポケモンは、「みんなでつくる、夏の思い出」をテーマにして、バーチャル世界にある未完成の遊園地「ポケモンバーチャルフェスト」を制作しました。
「ポケットモンスター ソード・シールド」のポケモンバトルのパブリックビューイングや ピカチュウのダンスショーなどさまざまなイベントを開催しています。
ポケモンは子どもたちにも人気なので、これからも定期的にイベントが開催されると、子どもたちは大喜びかもしれませんね。
まとめ
- メタバースをビジネスで利用するメリットは、バーチャル空間で身近なコミュニケーションができるようになり、製品開発などの共同作業が可能になる
- メタバース上の職員研修や会議なら、遠方の人も自宅から参加できるようになる
- メタバース内での商取引などを巡る法律やルールの整備がされていないといった課題もあるためビジネスでの利用も気をつける
- メタバースを活用した大規模なイベントのバーチャルマーケットに出展するとPRになるだけでなく、新規市場開拓にもなる
- メタが提供しているHorizon Workroomsは無料でバーチャル会議に参加できるが、主催者になるにはVRゴーグルが必要
- メタバースでイベントを開催するなら、clusterスターターパッケージを利用すると専任担当さんが手厚いサポートをしてくれる
新たなことを始めるには勇気が入りますが、取り入れやすいものから始めていくと学びにもなり、無駄なことはないと思います。
あなたのビジネスへのメタバース利用が新たな経済圏を生み出し、私たちの暮らしを豊かにしてくれることを期待していますよ。
コメント