最近vtuberが人気のようだけど、2021年の市場規模はどれくらいなの?
vtuberの市場規模は、2021年には50億円に上ると推定されます。
2018年頃から話題になり、人気が急上昇し始めているvtuber。
可愛いアバターや声などは、動画を見ているだけで癒やされますよね。
YouTuber全体の市場規模は219億円と言われていますので、そのうちの22%はvtuberの市場いうことになります。
実写系YouTuberや顔出しなしのゲーム実況者、専門家の解説チャンネルから料理動画などとても幅広い分野の動画が日々アップされているYouTube。
その中でも今回はvtuberに焦点を当て、市場規模やその推定方法、2021年までのvtuberの人数の推移などを調べてみました。
記事の後半では、本気でvtuberに挑戦したいと思っている私が業界の今後について考察しています。
vtuberの市場規模は2021年に50億円超!算出方法も解説
気になるvtuber業界の市場規模をフェルミ推定を使用して算出したところ、50億円以上という金額になりました。
50億円ともなるとなかなか想像できないくらい大きな金額で、驚いてしまいますよね。
市場規模は、業界全体の売上を表しています。つまり、vtuberの売上総額が市場規模に当たります。
ですが、売上総額が分かる資料を見つけることはできませんでした。
しかし、YouTubeの広告収入の推定額や実際の投げ銭の金額は公表されていましたので、それらをまとめてみました。
まずはYouTubeの広告収入の推定額と、投げ銭の金額をご紹介します。
YouTubeの広告収入額は約30億円!?算出方法は?
YouTubeでの広告収入額は、約30億円と推定されます。
様々な推定方法があるかと思いますが、今回はフェルミ推定を用いて算出してみました。
まず、前提を「需要×平均単価×広告数=広告収入」とし、それぞれを次のように定義します。
項目 | それぞれの定義 |
需要 | vtuberの動画を視聴している人 |
平均単価 | YouTubeの広告収益で平均単価と言われている金額 |
広告数 | 表示された広告の数 |
それでは、各項目の数字を算出してみましょう。
<需要のvtuberの動画を視聴している人の算出方法>
あるデータによると、日本に住む10代~30代の人口のうちvtuberを知っているのは約50%、うち実際に動画を視聴しているのはその約50%に当たるそうです。
つまり、10代~30代の約25%の人がvtuberの動画を視聴しているということになります。
総務省統計局の2021年12月1日時点での概算の10代~30代の日本の人口は、3,787万人です。
その25%は【3,787万人×25%=946万人】となり、需要は946万人となります。
<YouTubeの広告収益で平均単価と言われている金額の算出方法>
主にYouTubeの広告の種類は、次の5つになります。
- インストリーム広告
- バンパー広告
- オーバーレイ広告
- ディスカバリー(サイドバー)広告
- アウトストリーム広告
分かりやすいのは、30秒間の広告のインストリーム広告と、6秒以下のバンパー広告ではないでしょうか。
収益の発生条件が異なるため、平均単価は0.1~500円と非常に幅広く、それぞれバラバラに算出するのは非常に手間を要します。
今回はインストリーム広告とバンパー広告に絞り、1回表示されたときの広告単価=0.1円として計算します。
<表示された広告の数の算出方法>
YouTubeの広告は、15分につき3回広告を付けていい決まりになっています。
あるデータによると、YouTubeの月間平均視聴時間は2021年6月時点で22時間40分に上るそうです。
22時間40分を分に直すと1,320分となり、15分で割ると88、さらに3(15分につき3回)をかけると264となります。
この数字は月間の平均視聴時間をもとに算出したので、年換算にするために12をかけると3,168本と算出されます。
つまり、表示された広告の数=3,168本となります。
<「需要×平均単価×広告数=広告収入」で計算すると?>
これらの数字を踏まえ、初めの算式に当てはめると次のようになります。
【需要:946万人×平均単価:0.1円×広告数:3,168本=広告収入:29億9692万8千円】
よって、vtuberの年間の広告収入は約30億円と推定されます。
実際にはもっと広告単価が高い場合もあると思いますので、市場規模はとてつもなく大きいことが分かりますね。
今も徐々に認知度が上がり、視聴人数が増えつつあるのでこれからも市場規模は拡大していくことでしょう。
5年前には存在していなかった市場がこのように急速に発展するなんて驚きです。
投げ銭の上位100名のみでも約35億円もの収入がある
投げ銭の上位100名のデータを集計してみると、約35億円もの収入があることが分かりました。
PLAYBOARDというサイトでは、vtuberのスーパーチャットランキングのデータを閲覧することができます。
スーパーチャットとは、YouTube上での投げ銭機能、つまり視聴者が配信者におひねりを渡すことができるサービスのことです。
そのサイトのデータをもとに、スーパーチャットランキング上位100名の2021年の金額を合計してみました。
すると、上位100名のみで34億3,373万9,605円となり、約35億円ものスーパーチャット収入があることが分かりました。
年収が億を超えているvtuberもいるようで、うらやましいですよね。
2021年10月時点でのvtuberの人数は、16,000人を突破しているそうです。
もちろん全員がスーパーチャットを受け取っているわけではないと思います。
しかし、35億円もの金額を全体の0.6%のみで叩き出していることになりますので、異常と言えるのではないでしょうか。
それだけ配信者やvtuber業界の人気が高まっているということですね。
イベントやファンクラブなども収益源!
YouTubeの広告や投げ銭機能以外の収益では、vtuber同士のイベントやファンクラブなどがあります。
イベントの内容としては、映画館やオンライン、その他さまざまな舞台でのライブやvtuber同士のトークイベントなどです。
また、主にYouTubeのメンバーシップ機能を利用してファンクラブを創設し、月額料金を設定して収入を得ているvtuberもたくさんいます。
月額料金は490円と、比較的低単価に設定しているvtuberが多いようです。
会員数はトップのvtuberでも1万~3万人のようです。
会員数が1万人だとしても、【490円×1万人=490万円】となります。
vtuberの収入を考えると、30%は手数料となり差し引かれるため147万円がメンバーシップのみの収益となります。
スーパーチャットでも100万~1,000万円の収入がある上に、メンバーシップでの収益が100万円以上も発生しているということですね。
メンバーシップのみでは会社員よりも少ない年収になってしまいますが、副収入として100万円以上の収入があることはとても大きいですよね。
vtuberの市場規模の推移を調べてまとめてみた
さて、ここからはvtuberの市場規模の推移を解説します。
とは言っても、市場規模は推定したデータしかありませんでしたので、実数値が分かっているデータをまとめてみました。
vtuberの人数は3年間で16倍に!
株式会社ユーザーローカルによると、vtuberの人数は次のように推移しています。
2018年3月に1,000人に到達し、徐々に人数を増やし2021年10月には16,000人となりました。
つまり、この3年間で16倍になったということです。人気の波が急激に押し寄せたことが見て取れますね。
vtuberのなり方の解説記事やアバターを作成するアプリの開発が進んでいるのも、vtuberの人数を増加させる原因となっているのでしょう。
投げ銭の総額は2年間でなんと200倍に!?
YouTubeで投げ銭のランキングを動画にしてまとめているチャンネルがありました。
その動画のデータをもとに、投げ銭の総額を次のようにグラフ化してみました。
このデータには、YouTubeのスーパーチャット以外の投げ銭も含まれています。
この形式では2020年6月末までのデータしか見当たらなかったためこのようなグラフになっています。
2018年12月末に2504万1968円だった投げ銭の金額が、翌年2019年6月末には2億5703万8648円となり半年で10倍になっています。
その後も合計額は増加し、2020年6月末には5億3168万2672円にまで上っており約200倍になっています。
「200倍に成長した市場がある」なんてニュースはあまり聞いたことがないので、計算してみてとても驚きました。
YouTubeの投げ銭のみでも上位20名で月2億円を超える
最後に、YouTubeでの投げ銭の推移を見てみましょう。
こちらはPLAYBOARDにデータがあった2020年12月末から現在までの、スーパーチャット上位20名の合計額の推移をグラフ化したものです。
このグラフを見ると、YouTubeでのスーパーチャットの金額は減少傾向となっています。
実際に途中で増加している2021年6月と7月は、有名vtuberの引退発表があった時期となっておりそれ以降は減少しているように見えます。
ただし、YouTubeでは夏や年末年始が繁忙期のようですので、もしかしたらvtuberもその時期に人気や再生数がアップするのかもしれません。
ですがいくら減少傾向にあるとはいえ、上位20名のスーパーチャットの合計額は毎月1億~2億円となっており、比較的市場規模が大きいことに変わりありません。
また、平均すると毎月5名のvtuberは、1か月あたり1,000万円以上稼いでいることも分かりました!
私も、3年前にvtuberとなっていたらこのくらい稼げるようになっていたのかもしれないと思うと、惜しいことをしたなと思ってしまいます。
vtuberの市場規模を予測!これからも拡大する?
ここからは私の個人的な意見を述べさせていただきます。
私は、vtuberの市場規模はこれからも拡大すると予測しています。
理由としては、次の3点があげられます。順番に解説します。
- vtuberの認知度が上昇していること
- 人気のある声優がvtuber業界へ参入していること
- vtuberになるためのハードルが下がってきていること
vtuberの認知度が上昇していること
市場規模の拡大には、動画の視聴率のアップが欠かせません。
その視聴率に大きくかかわるのが、vtuberの認知度だと考えます。
認知度が上がればファンが増える可能性が上がり、ファンが増えれば視聴率が上がります。
実際に、vtuberの認知度は年々増加しているといわれていますよ。
これは今後のvtuber業界への追い風と受け取れるのではないでしょうか。
人気のある声優がvtuber業界へ参入していること
「声優のvtuber業界への参入は失敗だ」という意見もあるようですが、私はそんなことはないと思っています。
声優に限らず、芸能人がYouTuberへ転身し活動を始めても売れる人と売れない人がいます。
それはただ知名度の問題ではなく、企画力などの動画の面白さの部分に原因があると思います。
これは、新しくvtuberになる声優でも同じことが言えます。
今までと同じ内容の動画を作るより、何か新しいことをしてもらえる方が動画が楽しみになりますよね。
また、先程は知名度の問題ではないといいましたが、ある程度は知名度も大事です。
先程も述べた通り有名な声優がvtuberへ転身したという話題が上ることで、vtuberの認知度が上昇しファンが増えることが予測できます。
vtuberになるためのハードルが下がってきている!
vtuberアプリの開発やスキル販売サイトでのアバター作成代行により、誰でも簡単にvtuberを目指すことができるようになりました。
これらのサービスは増加傾向にあり、vtuberをサポートする業界の市場規模も拡大しつつある状況下でいきなりvtuberの人気がなくなるということはまずないでしょう。
アプリの中では無料でアバターを作成できるものも多く存在しています。
ただし、見た目の凝った可愛い(もしくはかっこいい)アバターを作成したい場合は、ココナラ等のスキル販売サイトに外注する必要があります。
その場合、2Dと3Dで異なりますが数万円~数十万円単位の製作費がかかってしまいます。
しかし、大金をはたいてそれらを購入することで、月に1,000万円以上稼ぐことができるかもしれません。
その場合は案外簡単に製作費を回収できることになりますね。
なんと夢がある業界なのでしょう。私もますますvtuberデビューしてみたくなりました。
もちろん大金を稼いでいるのは一部のトップvtuberかと思います。
ですが、飽和状態にあるYouTuberを目指すよりも、比較的参入人数が少ないvtuberとして活動した方がトップにのし上がっていける可能性は高いのではないでしょうか。
これらの現状をふまえると、今後もvtuberの市場規模はまだまだ拡大していくと予測できますね。
まとめ
- vtuberの市場規模は2021年には50億円以上と推定される
- YouTubeの広告収入額は約30億と推定され、投げ銭の上位100名のみでも約35億円もの収入がある
- vtuberの人数は3年間で16倍に推移し、2021年には16,000人を突破
- 投げ銭の総額は2年間で200倍にまで増加している
- 2021年のYouTubeでのスーパーチャットの金額は減少傾向にある
- とはいえ上位20名のスーパーチャットの合計額は毎月1億~2億円となっており、比較的市場規模が大きいことに変わりはない
- vtuberの市場規模は3つの理由により今後も拡大すると予測できる
調べれば調べるほどvtuber業界は魅力的に思えました。
まだ飽和しきっていない今がvtuberに挑戦するチャンスではないでしょうか。
このサイトでは他にもvtuberに関する記事をまとめていますので、よかったら参考になさってくださいね。
コメント