「ngチューブとedチューブの違いってなに?」と考えたことはありませんか?
ngチューブもedチューブも鼻から挿入するチューブで、主に経管栄養をする時に使われますよね。
ngチューブとedチューブの大きな違いは、チューブの先端がどこにあるかという点です。
ngチューブは胃までしか挿入できませんが、edチューブは十二指腸や空腸まで挿入することができるんです。
その他にも挿入する目的やチューブの太さや硬さ、長さなどが違います。
ngチューブとedチューブの違いを知ることで、なぜその患者さんにこのチューブを選択したのか、どのような点に気をつけて看護したら良いのかが見えてくるはずです。
ここからはngチューブとedチューブの違いや、呼び方の違い、チューブを挿入している患者さんへの看護で注意する点について解説していきます。
ngチューブとedチューブの違いは6点!1つずつ解説
ngチューブは経鼻胃チューブのことで、水分や栄養剤を注入するために鼻から胃に挿入します。
また胃洗浄に使われたり、胃液の検査や胃の内容物を調べたりする時にも使われます。
edチューブはngチューブと同じく水分や栄養剤を注入する目的で、鼻から胃または十二指腸、空腸に挿入するものです。
ngチューブとedチューブは、同じ目的で使われることもありますが、それぞれのチューブに違いがあります。
- 挿入する目的
- チューブの太さや硬さ
- チューブの先端がどこにあるか(留置位置)
- 挿入方法
- チューブの長さ
- 挿入の処置ができる人
ngチューブとedチューブは上記の6点が違います。
ここからngチューブとedチューブの違いについて、1つずつ解説していきます。
違いを理解することで、患者さんに対してどちらのチューブを使用するのがふさわしいのかがわかりますよ。
ngチューブとedチューブの挿入目的の違い
ngチューブは、水分や栄養剤を注入すること(経管栄養)と胃洗浄、胃内の排液に使われます。
対してedチューブは経管栄養にのみ使われます。
〈ngチューブの挿入目的1:経管栄養〉
上記でも述べたように、ngチューブは主に経管栄養のために挿入するものです。
私が以前働いていたNICU(新生児未熟児集中治療室)では、入院してくる赤ちゃんのほとんどがngチューブを挿入していました。
赤ちゃんは母乳やミルクを飲むことで、栄養と水分の両方を摂取しています。
しかしNICUに入院している赤ちゃんは、なにかしらの疾患があったり、早産による未熟児だったりするため口から母乳やミルクを飲めない場合が多いです。
そのためngチューブを挿入して、母乳やミルクを注入していました。
また、口から少し哺乳ができるようになっても、薬の内服が必要であったり、母乳やミルクの消化を見る必要があったりする場合にはngチューブは入れたままでした。
〈ngチューブの挿入目的2:胃洗浄〉
経管栄養の他にも、救急外来や救急救命センターでは胃洗浄に使われることが多いです。
睡眠薬などの薬物を大量に服用した場合にngチューブを挿入して胃洗浄をおこないます。
また小児では誤嚥(薬剤やたばこなど)をした時にngチューブを挿入して胃洗浄をすることがあります。
〈ngチューブの挿入目的3:胃内の排液〉
胃液の検査をする時に、胃液を吸い上げるためにngチューブを使うことがあります。
胃は外から見ることのできない臓器です。胃できちんと消化できているか知るためには胃の内容物をみるしかありません。
そのため経管栄養できちんと消化できているかを診る時にも、経管栄養で使っているngチューブからおこないます。
ngチューブに針のついていないシリンジをつなげ、胃の内容物を吸引して観察することができますよ。
また消化器外科の病棟では術後の観察のためにngチューブが挿入されていることが多くあります。
胃内を減圧することで麻痺性イレウスによる嘔吐を予防したり、手術した部位(吻合部)への圧を減らし縫合不全を予防したりします。
開腹手術などで腸管が麻痺し、腸の蠕動運動が障害された状態。
消化されたものが腸内をスムーズに移動できなくなり、動かなくなった部分より口側の消化管に多量の消化物が溜まる。
そのため便やガスが腸内に充満し、腹痛や嘔吐などの症状が起こる。
消化管は口から肛門までの一本道なので、どこかに通過障害が起きると、それより上の消化管は消化物で渋滞が起きている状態です。
そこで消化管の内圧を下げるために、通過障害が起きている部分にチューブを入れ溜まっている体液を身体の外へ出す必要があります。
消化管の通過障害は、術後だけでなく胃の幽門前庭部に胃がんができたことによる幽門狭窄でも起こることがありますよ。
その他にも、術後に胃内の排液を観察することで、出血がないかを早期に発見することができます。
ngチューブとedチューブの硬さや太さの違い
ngチューブは、チューブのみを使って挿入できるくらいの硬さがあります。
太さは10~18Frが一般的ですが、新生児や小児の場合は3~8Frを使います。
年齢や身体の大きさ、ngチューブを使う目的によって太さを選択します。
経管栄養のみの場合さほど太い必要はありませんが、排液や胃内の減圧が主な目的の場合は太めのものを選びましょう。
ngチューブは硬さがある分、チューブが当たる部分に刺激となります。
チューブが当たる部分の皮膚の観察を忘れずにおこなう必要がありますね。
edチューブはガイドワイヤーなしでは挿入できないほど、柔らかいチューブです。
チューブ自体はやわらかいことで、挿入中の患者さんへの負担は軽減されます。
太さは8Fr以下が最も多く使用されていますよ。
ngチューブとedチューブの留置位置の違い
ngチューブとedチューブは、挿入したチューブの先端の位置(留置位置)に違いがあります。
ngチューブは胃にのみ留置可能で、胃の幽門部より先には留置することができません。
edチューブは胃、幽門部を通過して十二指腸や空腸に留置することができます。
胃で消化するのに問題はないが、NICUに入院している赤ちゃんのように飲み込むことができない場合はngチューブを選択することが多いでしょう。
胃での消化に問題がある場合には、edチューブを使って、胃の先にある十二指腸や空腸に直接栄養剤を注入します。
ngチューブとedチューブの長さの違い
ngチューブとedチューブは留置位置が異なるため、長さも違います。
ngチューブは成人用で【45~55㎝】あります。成人の口から胃の中までの長さは【45~50㎝】なので、この長さになっています。
チューブが短い場合、胃まで届かずに栄養剤が食道内で溜まり、逆流するかもしれません。
反対にチューブが長い場合、胃の壁を刺激したり突き抜けてしまったりする危険性があります。
edチューブは【120㎝】あるものがほとんどで、留置する場所や患者さんの身体の大きさによって挿入の長さは変わります。
どこに留置したのか、挿入の長さを医師に確認しましょう。
ngチューブもedチューブも、患者さん1人1人挿入の長さが異なるので、自分の前に受け持っていた看護師と挿入の長さがあっているか確認することが大切です。
私が働いていたNICUでは、ngチューブを挿入前に、挿入する長さのところにマーカーでしるしをつけます。
チューブが出ている鼻の穴部分に、マーカーのしるしがくるということですね。
このチューブにつけたマーカーのしるしがずれていないかと、看護記録に書いてある挿入の長さを申し送りの時にダブルチェックすることになっていました。
24時間365日、同じ人が看護するわけにはいかないので、どの人が担当になっても挿入位置がわかるようにすることが重要ですね。
ngチューブとedチューブを挿入できる人の違い
ngチューブは、上でも述べたようにチューブだけで挿入できる硬さがあるため、医師だけでなく看護師も挿入することができます。
私も看護師になった1年目からngチューブを入れる処置はおこなっていました。
edチューブはチューブ自体が柔らかく、ガイドワイヤーを使って挿入しなければいけません。
そのためedチューブは看護師では挿入することができず、医師のみ入れることが可能です。
ngチューブとedチューブの挿入方法の違い
ngチューブもedチューブもチューブに潤滑剤をつけて、鼻から挿入するという大まかな方法は同じです。
細かな部分で違いがあるので、ngチューブとedチューブの挿入方法をそれぞれ解説していきます。
〈ngチューブの挿入方法〉
まずngチューブを挿入するために、物品を準備します。
- 患者さんに合ったngチューブ
- カテーテルチップ型シリンジ(成人は50ml、新生児は10mlなど対象に応じてサイズは変更可)
- キシロカインゼリー(潤滑剤)
- 固定用テープ
- ディスポーザブル手袋
- マスク
- エプロン
- 処置用シーツ
- ガーグルベースン
- 聴診器
物品が用意できたら、患者さんのもとへ行きngチューブを挿入します。
1.ngチューブを挿入することを患者さんに説明する。
事前に説明されていると思いますが、実際にngチューブを挿入する前に「今から○○の為にngチューブを挿入します。」ということを患者さんに伝えます。
看護師にとっては慣れた処置でも、多くの患者さんにとっては初めての経験です。
またngチューブを入れるのは、苦痛を伴う処置でもあります。
自分が何をされるのかわからないというのは、とても怖く不安になるものです。
不安が強いと、身体も緊張しこわばり、うまく挿入できなくなる恐れもあります。
患者さんの不安を少しでも軽くするために、必ず声掛けはおこないましょう。
2.チューブを挿入する長さを決める
ngチューブは短くても長くても、患者さんの身体に負担となります。
おおよその目安は【45~50㎝】とありますが、1人1人身体の大きさは異なります。
患者さんに合わせてngチューブの長さを決める必要がありますね。
成人の場合は患者さんの顔を横に向けて、鼻から耳までの長さ+耳からみぞおちまでの長さが、ngチューブの挿入する長さ。
挿入する長さは、ngチューブの挿入する方を鼻に当て、耳までチューブで測り、続けて耳からみぞおちまで測るとチューブを使って図ることができる。
新生児から小児の場合は、眉間から剣状突起までの長さがngチューブを挿入する長さ。
眉間にngチューブの挿入する側の先端を当てて剣状突起まで測る。
3.患者さんに座位または仰臥位になってもらう
立っている状態や横向きの状態では、ngチューブはうまく挿入できません。
患者さんに座ってもらうか、もしくは仰向けで寝てもらいましょう。
小児の場合は、挿入時に動かないことが難しいので寝た状態で頭を固定します。
暴れてしまう可能性がある場合は、バスタオルなどを使って手が出ないように固定する必要があります。
4.チューブの先端に潤滑剤を塗って挿入する
挿入時に嘔吐してしまうことも考えられるので、処置用のシーツを引き、患者さんにガーグルベースンをもってもらいます。
顎を引いてもらうことで食道が開き、ngチューブが挿入しやすくなるので患者さんに顎を引いてもらいます。
「顎を引いてください。」と言ってもわかりにくいので「頭を少し前に倒してください。」というとわかってもらいやすいでしょう。
鼻の穴(鼻腔)から鼻腔の下部分(鼻腔底部)に沿わせるようにして、ゆっくり挿入していきます。
咽頭までngチューブがいったら、意識のある患者さんには唾を飲み込んでもらい、飲み込むタイミングに合わせてチューブを奥に進めます。
最初にチューブにつけたしるしが、鼻腔の入り口にくるまで挿入しましょう。
挿入中はどうしても吐き気が出てしまいますが、あまりにも強い場合は収まるまで少し待ちましょう。
5.胃にngチューブが入っているか確認する
固定する前に、胃にngチューブが入っているか確認します。
以下の方法で、胃に入っているかどうか確認することができます。
- カテーテルチップシリンジで胃の内容物を吸引する
- カテーテルチップシリンジで空気を注入する
- レントゲンで胃内にngチューブがあることを確認する
胃の内容物を吸引できれば、胃にngチューブが入っているとわかります。
カテーテルチップシリンジで空気を注入し、胃の部分に聴診器を当てると「ゴボッ。」という音がします。
左右の下肺部分の音も合わせて聞くと、胃に入っているかわかります。
空気音が確認できない時は、気管に入ってしまっているか、のどの奥でぐるぐるとチューブが巻いているかもしれません。
口を開けて、チューブが変なところから出ていないか観察しましょう。
私が働いていたNICUでは、胃の内容物の吸引と空気音で、ngチューブが胃に入っているか確認していましたよ。
ngチューブの素材はシリコンやポリ塩化ビニルで作られているものが多いのですが、先端にX線不透過の線が入っているものが一般的です。
そのためレントゲンでngチューブが胃に入っているかの確認もできます。
ngチューブが胃に入っているかの確認は非常に重要です。
ngチューブが誤って気管に入っていた場合、そのまま経管栄養を始めてしまうと誤嚥を引き起こし呼吸状態が一気に悪化してしまいます。
6.ngチューブの位置確認後に、固定する
ngチューブがきちんと胃に入っていることが確認できたら、ngチューブがその位置からずれないように固定します。
はずれないように鼻翼に、中央に切り込みを入れたテープを巻きつけて固定しましょう。
1か所のみでは外れてしまうので、頬に沿わせて頬の中央部分でもう1度固定します。
ngチューブが頬に直接当たっている状態で固定すると、固定力が弱く肌に刺激となるので、ngチューブを包み込むようにしてテープを貼るようにしましょう。
自分で抜いてしまう可能性が高い患者さんの場合は、粘着力の高いテープでしっかりと固定します。
テープのみでの固定では抜いてしまう恐れがある時は、頬に沿わせた後に耳の後ろを通して固定し、病衣の中を通して患者さんの目に触れない工夫も必要です。
新生児や小児は、頬に固定する前に保護剤などを貼り、肌を刺激しないようにする場合もあります。
〈edチューブの挿入方法〉
ngチューブ同様edチューブも、まずは物品を準備します。
- 患者さんに合わせたedチューブ
- カテーテルチップ型シリンジ(成人は50ml、新生児は10mlなど対象に応じてサイズは変更可)
- キシロカインゼリー(潤滑剤)
- オリーブ油(医療用)
- 固定用テープ
- 処置用シーツ
- ディスポーザブル手袋
- マスク
- エプロン
- ガーグルベースン
- 聴診器
物品の準備ができたら、患者さんのもとへ行きedチューブを挿入します。
1.edチューブを入れることを患者さんに説明する
ngチューブと同じように患者さんに「今から○○の為にedチューブを入れますね。」と声掛けをします。
2.edチューブを挿入する長さを決める
ngチューブ同様、edチューブを挿入する長さを決め鼻から出る部分にマーカーで直接しるしをつけましょう。
edチューブは留置場所によって、挿入する長さが変わるので、医師に挿入する長さを確認しておきます。
3.コネクター、滑剤ポートおよびスタイレットの3つがロックされているか確認する
名称は製品によって異なる場合がありますが、コネクターや滑剤ポートのふたがしまっているか確認します。
スタイレット(ガイドワイヤー)も、挿入する先端部分から抜けないかチェックしましょう。
4.チューブに潤滑剤を塗り、edチューブを挿入する
edチューブの先端から約【15㎝】までの部分に潤滑剤または表面麻酔剤を塗ります。
その後鼻腔からチューブを静かに挿入していきましょう。
水平に滑りこませ、咽頭に達したら患者さんの顎が胸に着くように頭を倒してもらいます。
ngチューブと同じように顎を引くことで、食道が開きチューブが挿入しやすくなりますよ。
患者さんに意識があればストローで水を飲ませたり、唾を飲み込ませたりして食道から胃にチューブを進めます。
胃までedチューブが挿入できたら、滑剤ポートを利用して胃液を吸引するか空気を注入して音を聞き、胃にチューブが入ったことを確認しましょう。
挿入している先端部を、胃の幽門に向けて、滑剤ポートからオリーブ油を注入します。
edチューブの太さによって、オリーブ油の量が変わります。
太さ | オリーブ油の量 |
6Fr | 2.0ml |
7Fr | 2.5ml |
8Fr | 3.5ml |
9Fr | 4.5ml |
12Fr | 7.5ml |
オリーブ油を注入した後に、逆流することがあるので滑剤ポートのキャップは締めておきましょう。
スタイレットのロックを解除し、edチューブから抜きます。
もし途中で引っかかった場合はスタイレットを回転させることで抜くことができます。
患者さんを右側臥位(右が下になるように寝かせる)にし、幽門を通過するまで待ちましょう。
5.edチューブがずれないように固定する
固定方法はngチューブと同じように鼻翼で1か所、頬で1か所留めましょう。
患者さんに合わせた固定をすることで、edチューブが抜けないようにすることが大切です。
ngチューブとedチューブには他の呼び方がある
ngチューブやedチューブは、どこの病院や施設でもngチューブやedチューブと呼ばれているわけではありません。
病院にはその病院特有の他の呼び方があったり、商品名で呼んだりします。
同じ病院内でも他の呼び方をしていることがあり、異動で病棟が変わると物品の名前がわからなくなることがあります。
私も小児専門病院のNICUにいた時と、小児クリニックで働いていた時に同じものを指しているのに呼び方が違うのを不思議に思いました。
ngチューブは、略してngと呼ばれることが多いですが、他の呼び方は以下の呼び方があります。
- 胃管
- 胃チューブ
- 胃ゾンデ
- ナゾガストリックチューブ
- マーゲンゾンデ
- マーゲンチューブ
- Mチューブ
- ストマックチューブ
- STチューブ
- セイラム
何度か出てくるマーゲンはドイツ語で胃のことを指します。
マーゲンチューブは「胃チューブ」となるわけです。
またゾンデも何度か出てきますが、こちらもドイツ語でゴム製・金属製の細い棒を指します。チューブと同じ意味ですね。
胃ゾンデは「胃チューブ」となります。マーゲンチューブも胃ゾンデも訳すと「胃チューブ」となります。
セイラムは、セイラムサンプチューブという商品が使われることが多いため、商品名を短くして読んでいるところがあるようです。
ngチューブに比べてedチューブの他の呼び方は少なく、ほとんどのところでedチューブと呼ばれています。
フィーディングチューブと呼ぶところもあるようですが、少数派と言えます。
英語のFEEDINGから、食事を与えるチューブと訳すことができます。
ngチューブもedチューブも呼び方は多々ありますが、使い方や挿入している時の看護は呼び方が違っても変わりません。
記録などを見る時にngチューブやedチューブのことを指していても、あなたが知っている呼び方ではない可能性もあるということだけ頭に入れておきましょう。
ngチューブとedチューブを使った看護の注意点
ngチューブとedチューブを挿入している患者さんに対する看護はどちらも同じで、抜けないように気をつける事と、チューブが詰まらないようにする事です。
ngチューブもedチューブも挿入する時に、患者さんは苦痛を伴います。
必要のないチューブの交換で、患者さんの苦痛を増やしたくはありませんよね。
看護師は医療的なケアを含め、患者さんの身の周りのケアをおこなうのが仕事です。
edチューブやngチューブが入っている時は、患者さんのケアをおこなうたびに、チューブが抜けそうになっていないか患者さんの環境を整えましょう。
また経管栄養をおこなう時には閉塞しないかと一緒に、誤嚥をしていないかなどをみることも看護の1つです。
ここからはngチューブとedチューブを使っている際、どのような点に注意して看護したら良いか解説していきます。
ngチューブやedチューブが抜けないように気をつける
ngチューブもedチューブも2か所またはそれ以上で固定していますが、鼻から出ているチューブの部分を引っぱると、抜けてしまいます。
自力で動くことのできる患者さんの場合、身体の下敷きになったりどこかに引っかけてしまったりしてチューブが抜けてしまうことが多いです。
チューブが抜けてしまうと、再挿入になり患者さんの苦痛になるだけでなく、抜けたチューブが首に巻きつく恐れもあります。
自分で動くことのできない患者さんの場合は、看護師がケアしている時やケア後にチューブが身体の下敷きになったりベッド柵に挟まったりしていないか確認しましょう。
特にベッド柵を下げている時にチューブも一緒に垂れさがっていると、ベッド柵を上げた時に挟まっていることに気づかないことがあるので注意が必要です。
また、小児が自分で抜いてしまう可能性がある場合はミトン手袋をつけるなどして、抜けないようにする必要があります。
ngチューブやedチューブが詰まらないようにする
ngチューブもedチューブも経管栄養に使用するため、栄養剤を注入したあと、なにもしないと詰まる可能性があります。
特にedチューブはngチューブよりも細いため詰まりやすいので注意が必要です。
栄養剤を流す前に、シリンジで白湯を注入してチューブが詰まっていないことを確認しましょう。
また栄養剤を注入した後にも白湯をシリンジで注入し、チューブ内の栄養剤を洗い流すようにします。
ngチューブやedチューブで薬剤を投与する時も、粉がチューブ内で固まらないようにしっかり白湯で溶いてから投与して下さいね。
しつこいようですが、薬剤を投与した後もシリンジで白湯を注入しチューブ内の薬剤を洗い流します。
ngチューブでもedチューブでも、何かを流す前と流した後に白湯でチューブ内を洗うことを徹底しましょう。
白湯をシリンジで注入するときに抵抗を感じたら、無理に注入してはいけません。
チューブのどこかが詰まっている可能性があるので、無理に白湯を注入することでチューブの内圧が上昇し破損したり破裂したリする恐れがあります。
ngチューブやedチューブの交換時期を見定める
ngチューブやedチューブは、交換時期が定められていません。
メーカーによっては留置期間は2週間以内と定められているものもあるので、その場合は決められた期間内で交換するようにしましょう。
ngチューブやedチューブの挿入は患者さんにとって、苦痛を伴う処置なので頻回に交換することは負担となります。
特にメーカーで交換時期が定められていない場合は以下を目安に交換するようにしましょう。
- ngチューブやedチューブが原因で鼻翼に潰瘍ができた
- ngチューブやedチューブが閉塞した
- ngチューブやedチューブに明らかな汚染が見られる
上記のような点がngチューブやedチューブに見られた時、まだチューブを入れている必要がある場合には再挿入します。
患者さんの状態によっては、そろそろngチューブやedチューブを抜くことができる場合もあります。
チューブの閉塞や汚染によってそのまま抜去となることもあるので、医師に確認するのをおすすめします。
患者さんやご家族の精神的苦痛に寄り添うことも大切
ここまでngチューブやedチューブに対するケアや患者さんの肉体的なケアについて主に書いてきましたが、他の看護同様に精神的ケアも大切になります。
ngチューブやedチューブを挿入している患者さんは、体内に異物を挿入しているという、日常とは違うという気持ちになりますね。
特に小児の場合、年齢が上がり自我が芽生える年ごろになると、みんなと違うことに羞恥心が出てくることがあります。
また患者さん本人ではなく、患者さんのご家族がngチューブやedチューブを入れられている姿を見てショックを受けることがあります。
「チューブを入れられてかわいそう。」「チューブが苦しいんじゃないか。」「健康に産んであげられなかったからだ。」などと考えてしまうんですね。
患者さん自身とご家族の様子を注意深く観察し、精神的苦痛に寄り添う看護が求められます。
経管栄養で注意してみるポイントは呼吸状態
ngチューブやedチューブは主に経管栄養をするために使われます。
経管栄養をおこなっている患者さんに対して注意してみるポイントは、呼吸状態です。
栄養剤を注入する前に、気管に入っていないか確認はしていますが、注入し始めて呼吸状態が悪くなった場合、チューブの留置位置が間違っている可能性があります。
喘鳴が強くなったり、呼吸が苦しくなった時は一度栄養剤の注入を止めて、口腔内を吸引し様子をみます。
問題なく落ち着くようであれば、栄養剤の注入を再開させるようにしましょう。
栄養剤の注入中に嘔吐した場合は、嘔吐したものを誤嚥する可能性があります。
すぐに栄養剤の注入を止めて、顔を横に向け口腔内と気管内の吸引をします。
栄養剤の注入中にチューブが抜けかかったり、全部抜けてしまった場合も、すぐに栄養剤の注入を中止します。
嘔吐した時と同じように顔を横に向け口腔内と気管内の吸引をしたあと、落ち着いたらチューブを再挿入し、栄養剤の注入を再開します。
どのケースでも、後になって熱がでたり痰が汚くなると肺炎を起こしている可能性が考えられます。
速やかに医師に報告し、全身状態の観察をおこないましょう。
まとめ
- ngチューブとedチューブの違いは、挿入目的や太さ、硬さなど6点ある
- ngチューブとedチューブは挿入方法に少し違いはあるが、主に経管栄養に使われる
- ngチューブとedチューブは留置できる位置に違いがある
- ngチューブとedチューブは他の呼び方をされることもある
- ngチューブとedチューブを挿入している患者さんに対する看護は同じ
- ngチューブとedチューブの看護で大切なのは、抜けないことと詰まらせないこと
ngチューブとedチューブの違いについて知ることで、患者さんに対して適切な看護ができる看護師を目指しましょう。
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