大学に行きたいと思っていても、学費が高く進学を諦めなくてはならないと思っていませんか?
この大学進学の手助けとなってくれる方法として「奨学金」があり、日本の大学生の約半分が利用しています。
しかし、奨学金とは学生が進学する際の手助けになってくれる反面、返済が必要なことが多く精神的負担も多いですよね。
実はこの奨学金には「繰り上げ返済」という方法があるのです。
繰り上げ返済とは、車や家のローンでよく聞く言葉ですが、奨学金にもあるとは驚きですね!
この方法を活用すれば、今払っている奨学金の返済期間を少なくすること以外にも、様々なメリットがあるのです!
ここでは、返済を早く終わらせることができる奨学金の繰り上げ返済とはどのような方法なのか、詳しくご紹介していきますね。
奨学金の繰り上げ返済とは何?
「繰り上げ返済とは車や家のローンでよく聞く言葉」と最初にお伝えしましたね。
奨学金における「繰り上げ返済」とは、分かりやすくいうと、借りた奨学金の返済期間を短くできるというものです。
この繰り上げ返済の方法は、奨学金の制度について知ることでより理解が深まります。
奨学金の繰り上げ返済とは何か?が分かる、奨学金の制度と奨学金の返済の方法について詳しくご説明しますね。
奨学金の制度
奨学金には大きくわけて2種類の制度があり、返済の必要がない「給付型」と返済の必要がある「貸与型」があります。
給付型の場合は返済が免除されている分、受給するために厳しい条件が課されています。
その条件とは、一定の学力要件を満たしていることや、住民税非課税世帯である、などの条件です。
やはり、誰でも給付型の制度を活用できるわけではないのですね。
逆に貸与型の場合は特に条件はなく、申請をすれば活用することができます。
一般的に「奨学金を借りる」と表現する場合は、貸与型のことを指します。
行きたい大学を金銭面で諦めざるを得ない、ということはとても悔しいですよね。
このように進学のためにお金を借りることができるというのは、とても助かりますね。
貸与型には、「第一種奨学金」と「第二種奨学金」と大きく2つに分かれています。これら2つの違いはずばり、利息が発生するかです。
第一種奨学金は利息が発生しませんが、第二種奨学金は借入額に応じて利息が発生します。
そのため第二種奨学金の場合は、返済期間中に元本だけでなく利息も返済する必要があります。
このように奨学金に種類があることを、調べて初めて知りました。
奨学金の種類に応じて様々な要件があるのですね。
奨学金には様々な種類があることは分かったのですが、この返済は実際にどのように行われるのですか?
次は奨学金の返済方法について説明していきますね。
奨学金の返済方法
返済が必要となる貸与型の奨学金の場合、返済総額と返済回数に応じ月々の支払いが決定します。
第一種奨学金の場合は利息が発生しないため、月々の支払いは単純計算でそのまま算出されます。
しかし第二種奨学金の場合は借入額に応じて利息が発生するため、月々の支払いも利息分が追加されます。
支払い期間が長くなればなるほど、毎月利息分を追加で支払う必要が出てきます。
奨学金の利息は少ない方といわれていますが、長く払っていたら膨大な額になってしまいますよね。
通常の支払い額に比べると、大きな差になってしまいますね。
この返済回数を少なくする方法として「奨学金の繰り上げ返済」という方法があります。
この方法を活用すると、最初に決めた返済期間よりも少ない回数で返済をすることができます。
そのため特に第二種奨学金の場合は、通常支払う予定であった利息分を少なくすることができるのです。
私自身、「奨学金って繰り上げ返済する方法があったんだ!?」と驚きました。
この方法を知らないと、「最初に決まった返済期間を変えることができないのかな」と思ってしまいますよね。
奨学金の繰り上げ返済は実際どのように行っているんだろう?
繰り上げ返済は利息の有無で違いがあるので、その部分について説明していきますね!
奨学金の繰り上げ返済の方法とは?
奨学金の繰り上げ返済の方法は、「期間短縮型」の返済方法です。
利息の有無にかかわらず、繰り上げ返済を申し込む際は、次のどちらか希望の方法で行います。
- 何回か分を繰り上げ返済するのか
- 上限をいくらにして繰り上げ返済するのか
「上限をいくらにして繰り上げ返済するのか」の場合は、その希望額に近くなるよう繰り上げ返済回数を計算し、その回数が繰り上げられます。
繰り上げ返済の方法は利息があるかないかによって違いがありますので、その方法をご説明しますね。
第一種奨学金(利息がない場合)
第一種奨学金の場合は、利息がないため月々の返済は元本のみとなります。
そのため繰り上げ返済を行っても返済総額は変わらず、返済期間が短くなるだけです。
返済期間が少なくなるのは嬉しいですが、返済総額は変わらないのですね。
第二種奨学金(利息がある場合)
第二種奨学金の場合は借入額に応じて利息が発生し、月々の返済額はその時の残金に応じた利息が追加され計算されます。
繰り上げ返済をすることで、返済した額は元本の部分に充てることができます。
そのため繰り上げ返済をした月の分の利息は、本来返済予定だった額よりも利息分少なく計算されます。
結果として、本来の返済総額よりも返済額を少なくすることができるのです。
返済総額が少なくなるのはとても嬉しいですよね。
繰り上げ返済をした際のメリットが高いのは、断然第二種奨学金になりますね。
奨学金繰り上げ返済のメリット3選
奨学金の繰り上げ返済の大きなメリットは「返済総額が少なくなること」です。
しかしそれ以外にも、繰り上げ返済をすることで得ることができるメリットがいくつかあります。
ここでは、3つのメリットを紹介していきますね。
住宅ローンの借り入れが有利になる
住宅ローンを組む際の審査項目に「返済負担率」という項目があります。
この返済負担率とは、年収に対してローンの年間支払額がどのくらいの比率になるか、ということを指します。
また返済負担率は住宅ローン以外のローンも合わせて計算をするため、奨学金が残っているとその分も足して計算する必要があります。
その結果、住宅ローンの借入できる額が少なくなってしまいます。
ローンをたくさん組めない、ということにはこのような理由があったのですね。
この返済負担率ですが、どのように計算するのかご存知ですか?
フラット35の場合は、年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下と決まっています。
例として年収が450万円という設定で計算をしてみましょう。
年間の支払い額 450÷0.35=約128万円
月々の支払額 128万円÷12=約10万6000円
ローンの返済が住宅ローンのみであれば、この額を全てローンの借り入れに充てることができます。
しかし奨学金の返済が残っていれば、この額から奨学金の月々の返済額を引いた額のみしか借り入れることができません。
自動車のローンなどを組んでいる場合は、さらに自動車のローン分も引かれてしまい、ほとんど借り入れは困難な状況になってしまいます。
住宅購入の場合は頭金の準備も大変ですし、なるべく借り入れ額を多くしたいですよね。
今後住宅の購入を考えており資金に余裕がある場合は、早めに返済を終了しておくことで、今後のライフプランを立てやすくなりますね。
精神的に楽になる
奨学金とは、ローンを組んで借りているいわば借金のようなものです。
奨学金の返済は延滞してしまうことで、通常よりも高い利息の延滞金がかかってしまうのです。
また延滞が3か月以上になると、個人情報信用期間に登録され住宅ローンを組めなくなったり、クレジットカードを作れなくなったりすることもあります。
そのため返済が完了するまでは「本当にお金を返せるのだろうか?」「延滞してしまったらどうしよう…。」といった不安がつきまといますよね。
繰り上げ返済をすることにより、この不安から抜けることができ気持ちがとても落ち着くことができます。
将来に向けて貯金ができる
繰り上げ返済により早めに奨学金を返すことができると、その分を貯金に回すことができるようになります。
繰り上げ返済により一時的には貯金が少なくなりますが、本来払う必要のあった利息分を貯金することもできるのです。
結果として将来の貯金額は予定よりも増えることになるのはとても嬉しいですよね。
奨学金繰り上げ返済をしない方がいい場合とは
奨学金の繰り上げ返済のメリットについて説明しましたが、奨学金の繰り上げ返済には注意点もいくつかあります。
まず奨学金の繰り上げ返済を行う場合は、念入りにプランを計画する必要があります。
なぜなら、本来組んだローンよりも早めに繰り上げして返済するため、月々の返済額が多くなるからです。
奨学金の返済は基本的に多く払ったからといって次回の支払いを少なくする、ということはできません。
「支払いを早く終わらせたい」と焦る気持ちばかりが優先してしまうと、とても危険です。
ご自身の収入や今後のライフプランをしっかりと考慮したうえで、繰り上げ返済をするべきか検討するのがいいですね。
また第一種奨学金を借りている場合は利息がつかないため、無理に繰り上げ返済をしなくても返済総額は変わりません。
急いで返済をする必要がない場合は、無理に繰り上げ返済をしない方が正解の場合もありますね。
奨学金の繰り上げ返済のための手続きとは?
奨学金の繰り上げ返済には申し込み手続きが必要になります。申し込みの方法は「郵送」「ファックス」「電話」「Web」の4つの方法があります。
ご自身の行いやすい方法を選び、申し込みをしてみてくださいね。
今回は日本学生機構を例に紹介していきますね。
郵送・ファックスの手続き
郵送やファックスで申し込み手続きを行う際は、ホームページから「繰り上げ返還申込書」を印刷し記入する必要があります。
その後、郵送もしくはファックスで申し込みをすることになります。
書くことに慣れている方にはおすすめの方法ですね。
電話の手続き
電話で申し込み手続きを行う際は奨学金相談センターへ電話をして、繰り上げ返済をしたいことを担当の方に伝えます。
この奨学金相談センターでは、繰り上げ返済のほかに給付や返還に関する相談についての相談も受けています。
奨学金について困ったことがあった場合に、相談できるのはとても心強いですよね。
不安なことが多い方には、電話での方法がおすすめです。
また電話での受付は平日の9~20時までと決まっていますので、気を付けてくださいね。
Webの手続き
パソコンやスマートフォンなどインターネットを利用して申し込む際には、「スカラネット・パーソナル」というサービスを使用します。
このサービスは土曜・日曜・祝日でも手続きができるだけでなく、24時間利用できます。
そのため、平日は忙しいという方にもおすすめのサービスです。
このスカラネット・パーソナルを利用するためには、日本学生機構のホームページに個人情報の登録が必要になりますので注意してくださいね。
まとめ
- 奨学金の繰り上げ返済とは、通常の奨学金の返済よりも返済期間を繰り上げて返済すること
- 奨学金の繰り上げ返済をすることで、総返済額を少なくすることができる
- 奨学金の繰り上げ返済をすることにより、今後のライフプランを立てやすくなる
- お金に余裕がない方や、プランを上手くたてるのが難しいかたには奨学金の繰り上げ返済はおすすめしない
- 奨学金の繰り上げ返済の申し込み手続きは、郵送・ファックス・電話・Webの4つの方法がある
この記事では、奨学金の繰り上げ返済とは何かをご説明させていただきました。
奨学金の返済が長引くことによる負担が、少しでも取り除けましたでしょうか?
奨学金の繰り上げ返済とはどういうものか理解したうえで上手く活用し、今後の人生を楽しく過ごすことに大切なお金を使用してくださいね♪
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