平成21年4月から始まった教員免許更新制度ですが、教員免許をお持ちの方はほとんどが更新対象者になります。教員免許の申込み方法って難しそうですよね。

教員免許の申込み方法ってどうやるの?
教員免許更新講習の申込み方法は、受講先の大学に直接申請をすることになります。
大学の各講習には定員があり、30時間以上受講する必要があります。
初めて更新をされる方は、申込み方法や更新手続きがわからず、不安ですよね。
2021年8月に、制度の廃止報道がありましたが、結局いつから廃止になるのでしょうか。

更新をしないと、失効してしまうの?
こちらでは、教員免許更新のための流れから、申込み方法、更新講習修了確認のための申請方法、教員免許更新の対象者、失効した場合、制度廃止について解説していきます!
教員免許更新講習の申込み方法を解説!
教員免許の更新の大まかな流れは以下のようになっています。
- 有効期間満了日(修了確認期限)・受講資格を確認
- 教員免許更新講習の申込み方法
- 講習を受講・修了
- 有効期間または更新講習修了確認のための申請
- 有効期間更新証明書もしくは、更新講習修了確認証明書を発行
- 次回の期限を確認
1については、次の章で詳しく解説します。3~5の内容を解説していきますね!
教員免許更新講習の申込み方法
教員免許更新講習の申込み方法は、更新免許講習を開設している大学等の受講先により異なりますので、各大学に直接申請します。
受講開設大学は文部科学省のホームページに掲載されていますよ。受講先を決めたら、申込みをしましょう!
受講大学ごとに、申込み方法が異なりますが、電子申請をした後に郵送で申込みをするところが多いようです。
教員免許更新講習の申込みには、「受講対象者であることの証明書類」が必要ですので、所属先の学校の校長に発行してもらいましょう。
それぞれの大学の申込み期間は、春休み前の2、3月、夏休み前の5~7月に集中しているものの、通年募集しているところもありました。
ただし、大学ごとに定員がありますので、早めに受講先を決める必要があります。
教員免許更新講習は、オンラインで受ける方法と、直接大学に行き対面式講習を受ける方法があります。
オンラインで開催しているところは、1カ月~半年の受講期間を設けているところや、通年開設しているところもありますよ。
それに対し、実際に大学に行き、講習を受ける対面式講習については、夏休み中の7、8月に開設されるところが多く、開催日もピンポイントで日程が定められています。
1~4月は講習自体がないところも多く見られたので、対面講習を希望する方は、早めに受講先の決定、申請を行いましょう。
オンラインの方が、自宅で受講できますし、自分で日程調整がしやすいので、おすすめです!
教育免許更新に必要な講習の受講と修了
教員免許更新講習は30時間以上の講習受講が必要とされていますが、受講時間は下記3つに分かれて設定されています。
必修領域 | 6時間以上 | 全員共通 |
選択必修領域 | 6時間以上 | 免許状・勤務学校の種類・キャリアによる |
選択領域 | 18時間以上 | 免許状・対象職種に応じて異なる |
文部科学省でも、講習の選び方ガイドが公開されていますので、そちらも参考にしてみて下さい。
それぞれの大学で、必要なだけ受講・修了する必要がありますが、全て同じ大学で受けなくても大丈夫なんです!
オンラインで開設しているところは1講座から申込み可能なところもあるので、興味のある講座ごとに、対面講習、オンライン講習と使い分けても良いですね。
対面講習へ行く方は、受講当日に忘れ物がないように確認しましょう!
絶対必要なのは「受講票」です。
もちろん筆記用具も忘れずに持参してください!
有効期間または更新講習修了確認のための申請
講習を修了しただけでは、更新手続きは完了していません!
講習修了後2~3か月後に、修了(履修)証明書が送られてきます。
免許状と合わせて、免許管理者へ講習修了による更新手続きを行う必要があります。
免許管理者とは、勤務先の都道府県教育委員会です。
この手続きは、有効期間満了日(修了確認期限)の2か月前までに行ってください!
<必要書類>
- お持ちのすべての免許状の写し
- 修了(履修)証明書
- 申請書
ただし、各都道府県により、電子申請、郵送、窓口での申請などが異なりますので、それぞれの免許管理者へ確認をして申請してください。
申請をすると、有効期間更新証明書または更新講習修了確認証明書を発行してくれますよ。
最後に、次回の有効期間満了日または修了確認期限を確認しておき、次回も忘れず更新手続きを行いましょう。
教員免許更新の対象者って?自分は該当するの?

申込み方法や、手続きの流れはわかったけど、そもそも私は対象者なの?
冒頭で、教員免許を所持しているものであればほとんどの方が更新対象者であると言いました。
ただし、教員としての勤務経験がなく、これからも教員となる見込みがないあなたは対象外になります。
また、持っている教員免許が、新免許状なのか、旧免許状なのかでも変わってきます。
新免許状 | 平成21年(2009)4月1日以降に初めて授与された免許状 |
旧免許状 | 平成21年(2009)3月31日までに授与された教諭免許状 |
教員免許更新制度が開始された平成21(2009)年4月1日前後で異なるということですね!
まずは新免許状の有効期間を確認しましょう。新免許状の有効期間は、所要資格を得てから10年後の年度末になります。
<例>
所要資格を得た日 | 平成25年(2013)3月31日 |
免許状を授与された日 | 平成30年(2018)3月31日 |
有効期間の満了日 | 令和5年(2023)3月31日 |
そして、新免許状保持者の中でも、更新対象者によって手続きの流れが異なります。本当にややこしいですね(笑)
新免許状保持者の中でも、更新対象者によってそれぞれ流れが違いますので、ケース別に解説します。
内容は重複していますので、ご自身が該当するところだけを読んで頂ければ、わかりやすいと思います!
校長教頭などの管理職に従事している方
校長(園長)、副校長(副園長)、教頭、主幹教諭(主幹保育教諭)、指導教諭(指導保育教諭)に従事している方のケースを説明します。
この方たちは、有効期間満了日の2か月前までに免許管理者(各都道府県の教育委員会)へ1~3いずれかの手続きが必要です。
- 更新講習修了による更新
- 有効期間の延長(延長事由該当者のみ)
- 講習の受講免除による更新
1については、前章で説明した手順で手続きを進めてください。
2の有効期間の延長は、下記に7点のいずれかに該当すれば、一定期間を定めて有効期間を延長できます。
- 休職中
- 産休、育休、病気休暇、介護休暇中
- 地震や積雪、洪水などの自然現象により交通が困難な場合
- 海外派遣中
- 専修免許状の取得のための課程に在籍中
- 教員となった日から有効期間満了日(修了確認期限)までの期間が、2年2か月未満である
- その他免許管理者がやむを得ない理由と認める事由がある
3については、こちらの職階の方々は講習免除対象者です。
有効期間満了日の2年2か月前から2か月前の期間内に、免許管理者へ申請することで、更新講習を受けずに、免許の更新が可能です!
一般的な教員や養護教諭などに従事している方
次に、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、保育教諭、助保育教諭、講師(非常勤含む)に従事している方のケースを説明します。
この方たちは、有効期間満了日の2か月前までに免許管理者(各都道府県の教育委員会)へ1~3いずれかの手続きが必要です。
- 更新講習修了による更新
- 有効期間の延長(延長事由該当者のみ)
- 講習の受講免除による更新
1については、前章で説明した手順で手続きを進めてください。
2の有効期間の延長は、下記に7点のいずれかに該当すれば、一定期間を定めて有効期間を延長できます。
- 休職中
- 産休、育休、病気休暇、介護休暇中
- 地震や積雪、洪水などの自然現象により交通が困難な場合
- 海外派遣中
- 専修免許状の取得のための課程に在籍中
- 教員となった日から有効期間満了日(修了確認期限)までの期間が、2年2か月未満である
- その他免許管理者がやむを得ない理由と認める事由がある
3は下記の免除対象者に該当する場合は、有効期間満了日の2年2か月前から2か月前の期間内に、免許管理者へ申請することで、更新講習を受けずに、免許の更新が可能です!
- 教育長
- 指導主事
- 社会教育主事
- その他、教育委員会に置いて学校教育・社会教育に関する指導を行うもの
- 免許状更新講習の講師
- 文部科学大臣や教育委員会などから表彰を受けたことがあるもの
(表彰を受けた後の一回のみが免除対象)
実習助手や寄宿舎指導員などに従事している方
実習助手、寄宿舎指導員、学校栄養職員、養護職員に従事している方のケースを説明します。
この方たちは、有効期間満了日の2か月前までに免許管理者(各都道府県の教育委員会)へ下記どちらかの手続きが必要です。
- 更新講習修了による更新
- 有効期間の延長(延長事由該当者のみ)
1については、前章で説明した手順で手続きを進めてください。
2の有効期間の延長は、下記に7点のいずれかに該当すれば、一定期間を定めて有効期間を延長できます。
- 休職中
- 産休、育休、病気休暇、介護休暇中
- 地震や積雪、洪水などの自然現象により交通が困難な場合
- 海外派遣中
- 専修免許状の取得のための課程に在籍中
- 教員となった日から有効期間満了日(修了確認期限)までの期間が、2年2か月未満である
- その他免許管理者がやむを得ない理由と認める事由がある
保育士や専修学校の教員に従事している方
認定こども園・認可保育所の保育士、認可外保育施設の保育士、文部科学大臣が指定する専修学校の高等課程に教員に従事している方のケースを説明します。
実は、保育士さんや、専修学校の教員の方は、教員免許更新制の対象ではありませんので、更新する必要はありません。法令上は、教員免許を必要としない職種なのです。
ただし、更新をしなければ、免許は失効します。
更新が絶対必要ではありませんが、更新講習の受講・修了と免許管理者への更新の申請は可能になります。
また、免許状が失効したとしても、勤務先が別途雇用条件を定めていなければ、勤務は継続できますので、ご安心ください。
日本の教員として海外派遣されている方
日本で学校の教員として身分を有しつつ、海外派遣されている方のケースを説明します。
この方たちは、有効期間満了日の2か月前までに免許管理者(各都道府県の教育委員会)へ1~3いずれかの手続きが必要です。
- 更新講習修了による更新
- 有効期間の延長(延長事由該当者のみ)
- 講習の受講免除による更新
1については、前章で説明した手順で手続きを進めてください。
2の有効期間の延長は、下記に7点のいずれかに該当すれば、一定期間を定めて有効期間を延長できます。
- 休職中
- 産休、育休、病気休暇、介護休暇中
- 地震や積雪、洪水などの自然現象により交通が困難な場合
- 海外派遣中
- 専修免許状の取得のための課程に在籍中
- 教員となった日から有効期間満了日(修了確認期限)までの期間が、2年2か月未満である
- その他免許管理者がやむを得ない理由と認める事由がある
3は下記の免除対象者に該当する場合は、有効期間満了日の2年2か月前から2か月前の期間内に、免許管理者へ申請することで、更新講習を受けずに、免許の更新が可能です!
- 教育長
- 指導主事
- 社会教育主事
- その他、教育委員会に置いて学校教育・社会教育に関する指導を行うもの
- 免許状更新講習の講師
- 文部科学大臣や教育委員会などから表彰を受けたことがあるもの
(表彰を受けた後の一回のみが免除対象)
海外在住で直接教員として採用されている方
海外在住者のうち、現地で直接採用されていて、現教員でないなど、日本の学校で教員としての身分を有していない方のケースを説明します。
こちらの方は免許更新の対象者ではありません。
日本で教員としての勤務経験がなく、これからも日本で教員になる予定がないあなたは、更新講習を受講することもできません。
ただし、下記2つのどちらかに該当すれば受講が可能です。
- 過去、教員として勤務経験がある方
- 今後教育職員となることが見込まれる方
特に今後、日本で教職員になる予定があるあなたは忘れないように、更新手続きを行いましょう!
旧免許状所持者で昭和30年4月1日生まれ以降の方
旧免許状所持者の更新対象者については、既に教員免許更新講習を受講し、更新講習修了確認申請が終わっているはずです。
該当者は、次の修了確認期限の際に更新手続きを行ってくださいね。
新免許状では、有効期間満了日という記載でしたが、旧免許状では修了確認期限という記載になっていますね。
また、昭和30年4月1日以前に生まれた方は、教員免許更新対象者ではありませんので、今後も免許状は有効になります。(栄養教諭免許状を所持している方を除く)
教員免許更新を忘れて失効してしまったときの対処法
どの免許状をお持ちの場合でも、対象者であれば教員免許更新を行わなかった場合、有効期間満了日(修了確認期限)に教員免許状自体は失効します。
ですが、職種によっては免許が失効しても、勤務を継続することが可能です。
教員免許が失効しても、勤務を継続できる対象者はこちらです。
- 実習助手
- 寄宿舎指導員
- 学校栄養職員
- 養護職員
- 認定こども園認可保育所の保育士(幼保連携型を除く)
- 認可保育所の保育士
- 幼稚園の設置者が設置する、認可外保育施設の保育士
- 教員としてお勤めでない方
- 海外在住で、日本の学校教員としての身分を有していない方
ただし、失効してしまった場合でも、「更新講習未受講」等の記載があれば、履歴書等に教員免許を所持していることを記載しても良いことになっています。
免許の所持を記載する場合は、こちらに注意して記載しましょう。
では、教職員に従事しているにも関わらず、免許が失効してしまったらどうしたらよいのでしょうか。
免許状授与のための所要資格を満たしていれば、下記の更新の際の手順を同様に踏めば、新たに有効期間が付与された免許状を授与することができます。
- 30時間以上の更新講習を受講・修了
- 都道府県の教育委員会へ、免許状授与に必要な書類を添えて、免許状の授与を申請
通常の更新手続きと同じ流れですね。最初に説明した教員免許の申込み方法を確認し、再度手続きを行えば大丈夫ということですね!
教員免許更新制の廃止って本当?更新しなくていいの?
令和3年(2021)8月23日に教員免許更新制の「発展的に解消」つまり、廃止決定が発表されました。
教員免許更新制は廃止が決定しましたが、2021年10月時点、更新対象者はどうしたらよいのでしょうか?

もう更新しなくていいの?
結論から言うと、2021年10月現在は免許更新を行う必要があります。
正直、30時間以上の講習を実費で受けるというのは、とても大変なことですよね。
廃止後は、教職員がより更新しやすい内容になると良いですね!
これは、教員免許更新制の廃止は決定しましたが、法改正はされていないからです。
通常でも法改正というのはある程度時間がかかりますよね。
なので、現在更新対象者である方が、更新手続きを行わなかった場合は、教員免許が失効してしまうのでご注意ください!
まとめ
- 教員免許更新講習の申込み方法は、受講先の大学に直接申請をする
- 教員免許更新講習の申込みには、「受講対象者であることの証明書類」が必要
- 大学ごとに定員があるので、早めに受講先を決める必要がある
- 教員免許更新講習はオンラインで開催しているところもあり、通年開設、1講座から受講が可能なところもある
- 教員免許更新講習は30時間以上の講習受講が必要
- 講習を修了しただけでは、更新手続きは完了しない!
- お持ちの免許状の種類や、従事する職種によって手続きの流れが異なる
- 教員免許所持者は、更新手続きを完了しなければ、免許は失効する
- 免許が失効しても職種によって勤務を継続できる
- 教員免許更新制は廃止が決定したが、現在の更新対象者は更新手続きをする必要がある
教職員の方は、普段の業務もありながら、講習の受講が30時間以上必要など、とても労力がいりますね。
制度の廃止は決定したものの、いつ更新手続きが不要になるかはわかりません。制度がより良くなることを願うばかりです!
講習の申込み方法や手続きの流れは、更新対象期間でなくても一度は確認しておいた方が良いですね。
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